ポータブル電源の車内放置|真夏より先に、真冬で壊すところだった
トランクに積みっぱなしのポータブル電源。
真夏の高温停止は前に書いた。
今回は真冬の朝、充電が一向に進まなかった話。
ポータブル電源はトランクに積みっぱなしにしている。
車中泊に行くたびに家から出し入れするのが面倒で、いつからかそうなった。
以前このブログで、真夏の炎天下に置きっぱなしにしたポータブル電源が、充電をやめてしまった話を書いた。
壊れたわけではなく、本体が熱で自分を守るために止めていた、という顛末だった。
今回は、その逆の季節に起きた話。
冬の朝、同じように車内に置きっぱなしにしていたポータブル電源が、今度は「充電が一向に進まない」という形で僕を試してきた。
冷え切った朝、充電が0%のまま動かなかった
11月の終わり、山間部のキャンプ場で朝を迎えた。
外気温は氷点下に近く、車内もそれなりに冷えていた。
朝食の準備で電気ケトルを使ったら残量が心もとなくなったので、帰りのサービスエリアでACコンセントから充電を始めた。
ところが、充電ランプはついているのに、画面の残量表示がいつまでたっても増えない。
入力ワット数の表示もほぼゼロのまま張りついている。
夏の高温停止のときは「保護のために止まっている」という表示が出たが、今回はエラー表示すら出ない。
ただ、静かに何も起きていないだけだった。
結局そのときは原因が分からず、車内が少し暖まってきた頃合いで急に充電が始まった。
壊れていないなら理由があるはずだと思い、帰ってから取扱説明書とセルの仕組みを調べ直した。
「充電できる温度」と「使える温度」は、そもそも別の数字だった
調べて分かったのは、リチウム系のバッテリーには、充電時と放電(使用時)で許容される温度帯が別々に決まっているということだった。
うちのポータブル電源はリン酸鉄リチウム(LiFePO4)で、以前このブログでも電池の種類の話を書いた(ポータブル電源、容量の前に「電池の種類」を見てほしい)。
そのときは容量と寿命の話が中心だったが、今回は同じ電池の「温度」側の性質にぶつかった形になる。
放電、つまり電気を使う側は氷点下でもある程度動く機種が多い。
だが充電、つまり電気を入れる側は0℃を下回るとメーカーが推奨しない、あるいは内部の保護回路(BMS)が充電そのものを遮断する設計になっていることが多い。
理由は化学的なものだった。
低温の状態で無理に充電すると、本来なら電極の中に吸収されるはずのリチウムイオンが、表面に金属の状態で析出してしまう現象が起きる。
「リチウムプレーティング」と呼ばれる現象で、一度起きると元には戻らない劣化になる。
容量が減るだけならまだしも、析出したリチウムが内部で成長すると、最悪の場合は内部短絡につながるとされている。
夏の高温停止が「壊さないための一時停止」だったのに対し、冬の低温充電は「止めてくれなければ、気づかないうちに劣化が進む」タイプの問題だという違いに、調べていて気づいた。
自分の機体の説明書を見比べてみた
手元の機種の説明書を引っ張り出して、充電と放電の温度範囲を並べて見てみた。
放電(使用)の許容範囲は氷点下二十度前後まで書かれているのに対し、充電の許容範囲は0℃から45℃までと、明らかに狭い。
数字は機種によって差があるが、「充電の範囲は放電の範囲より狭い」という構造そのものは、リチウム系バッテリーに共通する傾向のようだった。
ここで少し怖いと思ったのは、今回のように充電が単に進まないだけで終わればまだいい方で、機種によっては低温でもBMSが充電を止めずに通してしまうものがある、という話も見かけたことだ。
自分の機体がどちらのタイプなのかは、説明書の温度表を確認するまでは分からなかった。
うちの機種はどうやら低温側でちゃんと止まってくれるタイプだったらしく、今回は「充電が進まない」という形で気づけたのは、結果的に運が良かったのだと思う。
三か月放置の話とも、実はつながっていた
以前、三か月ぶりに出したポータブル電源が起動しなかった話も書いた(三か月ぶりに出したポータブル電源が、電源すら入らなかった)。
あのときの結論は「保管は六割前後・三か月に一度は残量確認」というものだったが、今回の話を踏まえると、確認するタイミングの気温も無視できないと思うようになった。
真冬に「残量が減っていたから」とその場でコンセントに挿すのは、車内が冷え切ったままだとかえって良くない充電のさせ方になりかねない。
真夏の高温停止の話(炎天下に置いたポータブル電源が、充電をやめた)とあわせて、うちの車の中は結局、一年を通していい置き場所ではなかったんだと思う。
物置よりはマシだと思って積みっぱなしにしていたが、夏も冬も車内の温度は極端に振れる。
季節で置き場所を変えることにした
今のところの結論はシンプルで、真夏と真冬だけは車から降ろして、家の中の温度が安定した場所に置くことにした。
充電するときも、車内で冷え切った状態のまま挿すのではなく、一度室内に持ち込んで温度が戻ってから充電ケーブルをつなぐようにしている。
「充電できる温度」と「使える温度」が違う、という当たり前のようで見落としがちな事実は、説明書の数字を並べて見るまで意識したことがなかった。
次に新しい機種を選ぶときは、容量やWh数だけでなく、充電側の温度範囲もあわせて確認するつもりでいる。
ほかにも書いています
note・スタンプ※noteは運営者が個人で書いているものです。
