HOW TO PLAY

遊び方ガイド

「日本経済シミュレーター」の遊び方。25本のスライダーを動かす実験モード、1年ずつ政策を決めて24年走る運営モード、1990年度からの史実を分岐点で書き換える失われた30年ラボの使い方、需給ギャップ・ターム・プレミアム・国民負担率など10個の指標の読み方、まず試してほしい4つの実験、よくある質問をまとめています。

「日本経済シミュレーター」には3つのモードがあります。
スライダーを動かして結果を読む実験モード、1年ずつ政策を決めて24年走る運営モード、1990年度からの史実を分岐点で書き換える失われた30年ラボ
どれも同じ計算エンジンを通るので、出てくる数字は同じ模型が出したものです。

MODE 01

実験モードの使い方

01

やりたいことを一文で書く

スライダーは25本あります。どこから触ればいいのか分からないときは、パネルのいちばん上の欄に「消費税を下げて子育て支援を厚くしたい」のように書いて、「合わせる」を押してください。近い政策の組み合わせを選んで、スライダーをそこまで動かします。動かしたレバーの名前も一緒に出るので、そこから自分で微調整していくのがいちばん早い入り方です。なお、ここで決まるのはスライダーの位置だけです。2050年までの計算はこれまで通りブラウザの中で行うので、同じ位置なら何度やっても同じ結果になります。(AIの利用枠を使い切っている間は、この欄は表示されません。その場合は次のプリセットからどうぞ)

02

まずはプリセットを押す

左上に「積極財政」「財政再建」「消費税ゼロ」「食料品1%減税」「成長戦略」「高福祉・高負担」など10個のボタンが並んでいます。どれかを押すと、関係するスライダーがまとめて動いて結果が入れ替わります。いきなり25本を触るより、まず出来合いの政策を1つ選んで、何がどう変わったかを眺めるほうが早く掴めます。

03

スライダーを1本だけ動かす

「税・国民負担」を開いて消費税率を10%から15%へ。それだけで、右側のグラフとカードが全部その場で計算し直されます。カードには「現状維持と比べて+◯」という差が出るので、そのスライダー1本が何にいくら効いたのかが分かります。2026年度は実績で固定してあるので、効き始めるのは2027年度からです。

04

「見る年度」を動かして、いつ効くのかを見る

上のスライダーで2026年度から2050年度まで動かせます。教育投資のように「10年経たないと効かない」ものと、消費税のように「翌年から効く」ものの違いは、ここを動かすといちばんはっきりします。期間は2060年度・2070年度まで伸ばせるので、人口の効果を見たいときは長くしてください。

05

タブを切り替えて、痛むところを探す

概観・成長・物価・賃金・雇用・金融市場・財政・人口・家計の8タブがあります。どの政策も、必ずどこかのタブでは悪い数字が出ます。良くなったタブだけ見て終わりにせず、「これは何を犠牲にして買った結果なのか」を探しにいくのが、このモードの遊び方です。

06

数字が分からなければカードを押す

「需給ギャップ」「ターム・プレミアム」「国民負担率」。聞き慣れない指標が出てきたら、その数字のカードをクリックしてください。何を表しているのか、どう読むのか、そしていま出ている値が現状維持と比べてどうなのかが出ます。スライダーの「?」も同じです。

07

保存して、並べて比べる

気に入った政策で「このシナリオを保存」を押すと、3本まで残せます。「シナリオ比較」タブに移ると、保存したものと現状維持が同じグラフに重なって、2050年度の実質GDP・物価・実質手取り・失業率・金利・借金・総合点が表で並びます。どれかが全部で勝つことは、まず起きません。

08

結果の意味が分からなければ、説明してもらう

グラフの下に「この結果をAIに説明してもらう」があります。押すと、いま出ている年度の数字と、現状維持と比べてどう違うかを読んで、何を差し出して何を得たのかを文章にします。数字はゲームが計算したものをそのまま渡していて、AIが新しく作ることはありません。どのタブを見ればいいのか掴めないうちは、これを読んでから該当するタブを開くと分かりやすいはずです。

MODE 02

運営モードの使い方

01

来年度の政策を決めて、次の年へ

左のパネルで来年度の政策を決めて「次の年度へ」を押すと、1年進みます。過去には戻れません。実験モードと違って海外の前提(世界の景気・資源価格・米国の金利・関税)は選べません。そこは向こうから降ってきます。

02

ニュースを読む

年が明けるたびに、その年に起きたことが並びます。「実質賃金が1.8%増。家計に明るさが出てきた」「長期金利が4.2%に上昇。国債の利払い負担が急速に重くなっている」といった具合です。数字を全部追わなくても、ここを読めばその年に何が起きたかは分かります。

03

出来事に耐える

世界同時不況、資源価格の高騰、米国の急激な利上げ、関税戦争、巨大地震、感染症の流行、海外発の金融危機、人手不足の深刻化。逆に、AIによる生産性の跳ね上がりや世界的な好景気も来ます。13種類あって、それぞれ2〜6年続きます。いま何が効いているかは画面上部に出ます。

04

支持率を切らさない

内閣支持率は、実質賃金が伸びれば上がり、失業と物価の乱高下と負担増で下がります。20%を割った年が3年続くと退陣で、そこでゲームは終わります。財政再建も成長戦略も、続けられなければ意味がありません。そこがこのモードの難しさです。

05

24年後の評価を受け取る

2050年度まで走り切ると、最後の5年の平均でS〜Dの評価が出ます。実質の手取りが何%増えたか、借金の対GDP比が何ポイント動いたか、人口と出生率がどうなったか。「悪くはしなかった」で終わることが、たぶんいちばん多いはずです。

MODE 03

失われた30年ラボの使い方

01

年表のマーカーをクリックする

画面上部に1990〜2026年度の年表があり、消費税・金融政策・公共投資の史実の転換点11か所にマーカーが打ってあります。クリックすると、その分岐点で当時ありえた選択肢を選べるパネルが開きます。マーカーが多い場合は横にスクロールできます。

02

別の選択肢を選ぶ

「史実のまま」のほかに、あらかじめ用意した代替案(例:1997年の消費税率5%引き上げを「据え置き(3%のまま)」に)をボタンで選べます。自由入力欄に直接数字を入れることもできます。

03

実線と点線を見比べる

実線が実際にたどった経路、点線が編集後の「もしも」の経路です。編集した分岐点より後の年は、次に編集した分岐点が出てくるまで新しい値が続きます。1つだけ編集しても、2つ組み合わせて2段階の「もしも」を作っても構いません。

04

カテゴリーで絞り込む

「税制」「金融政策」「財政支出」で年表を絞り込めます。編集した分岐点はチップとして一覧にも残るので、個別に史実へ戻したり、「すべて史実に戻す」でまとめてリセットしたりできます。

05

免責事項を読む

これは唯一の正解ではなく、1つの経済モデルによる試算です。同じ問いに別のモデルを使えば違う数字になります。消費税率・金融政策・公共投資など、年表で編集できる主要な政策以外は、実際の歴史と異なり単純化した仮定を置いています。過去の政策への評価や、特定の政権・政党の是非を判定するための道具ではありません。政策変数を動かすと結果がどうつながるかを確かめるための試算です。

HOW TO READ

この10個が読めれば、だいたい読めます。

画面に出てくる数字のうち、意味を知っておくと世界の見え方が変わるものを並べました。
ゲームの中では、それぞれのカードを押すと同じ説明が出ます。

指標何を表すかどう読むか
実質GDP物価の影響を取り除いた、経済の本当の大きさ。潜在GDP(実力)を上回れば景気が良く、下回れば需要不足。名目GDPは物価が上がるだけでも増えるので、豊かさは実質で見ます。
潜在成長率働く人・設備・技術をフルに使ったときに伸ばせる、経済の実力。人口が減れば下がり、生産性と設備が増えれば上がります。景気対策では動かせません。ここを上げる手は全部「構造改革・人口」にあります。
需給ギャップ実際のGDPが実力からどれだけ離れているか。プラスなら需要が多すぎて物価が上がる。マイナスなら需要不足で物価も賃金も上がらない。日銀が金利を決めるときにいちばん見る数字です。
実質賃金賃上げから物価上昇を引いた、生活実感に近い賃金の伸び。ここがプラスでないと、給料が上がっても暮らしは楽になりません。長い目では労働生産性の伸びを超えては上がりません。
ターム・プレミアム長期金利のうち、将来の政策金利の見通しでは説明できない上乗せ分。財政への不安が高まると上がり、日銀が国債を買うと下がります。ここが立ち上がったら、借金が金利を通じて自分の首を絞め始めたサインです。
国債の平均利率国が抱えている借金全体にかかっている利率。このモデルで最も効く時限装置。政策金利を上げても利払費はすぐには増えず、低金利で出した国債が満期で借り換わるにつれて年々じわじわ増えます。
基礎的財政収支利払いを除いた、その年の収入と支出の差。ここが黒字になれば、借金は利息のぶんしか増えません。名目成長率が金利を上回っていれば、黒字でなくても対GDP比は下がっていきます。
国民負担率税と社会保険料の合計が国民所得に占める割合。日本はいま5割弱。上げれば財政は安定しますが、手取りが減って消費が冷えます。北欧型はここが6割を超えます。
支え手の数65歳以上1人に対して15〜64歳が何人いるか。1970年代は10人で1人を支えていました。いまは2人。1.5人を割ると、保険料だけで社会保障を支えるのは難しくなります。
実質の手取り平均年収の人の手取りを2026年度の物価に直したもの。このシミュレーターでいちばん大事な数字。GDPが伸びても、ここが伸びなければ暮らしは良くなっていません。

TRY THIS

まずはこの4つを試してみてください。

1. 消費税をゼロにする。手取りは増えます。2050年の借金の対GDP比がどこまで行くかを見てください。
2. 日銀の金利を3.5%に固定する。物価は落ち着きます。財政タブの「国債の利払費」が何年目から効いてくるかを見てください。
3. 子育て支援を12兆円に増やす。出生率は上がります。人口タブで、それが生産年齢人口に効くのが何年後かを確かめてください。
4. 純移民を80万人にする。3の答えと見比べてください。人口減少に対して、いま効く手とあとから効く手の違いがはっきりします。

FAQ

よくある質問

これは将来の予測ですか?

いいえ。出発点(2026年度)は公表された実績と予算そのものですが、そこから先は、需要・物価・金利・財政・人口のあいだにある関係を係数で表した模型が動かしています。「この関係が正しいとしたら、どちらへどれだけ動くか」を見るための道具で、20年後のGDPを当てにいくものではありません。

どんな数字を出発点にしていますか?

2026年度(令和8年度)の公表値です。名目GDP686兆円(内閣府)、消費者物価+1.7%・完全失業率2.5%・総人口1億2268万人(総務省統計局)、合計特殊出生率1.14(厚生労働省)、政策金利1.00%(日本銀行)、一般会計122.3兆円・普通国債残高1145兆円(財務省)、平均給与478万円(国税庁)。それらしい数字は1つも置いていません。

なぜ借金が232%なのですか。国の借金は1100兆円くらいでは?

普通国債残高(1145兆円)だけを見ると国の一般会計しか映らず、地方の財政も年金・健保の特別会計もこぼれ落ちます。このシミュレーターは国と地方と社会保障基金を合わせた一般政府ベースで回していて、これが国際比較で使われる数字です。普通国債残高のほうも財政タブで別に見られます。

消費税をゼロにしたのに、税収が残っているのはなぜですか?

標準税率と軽減税率を別のスライダーにしているためです。「消費税率(標準)」だけをゼロにしても、飲食料品と新聞にかかる軽減税率8%ぶん(年5兆円弱)が残ります。両方ゼロにすればゼロになります。

成長戦略を選んだら物価がマイナスになりました。バグですか?

いいえ、モデルが素直に答えを出しています。生産性と働き手だけを増やすと、供給の伸びに需要が追いつかず、物価が下がる方向に押されます。日銀の金利はすでに下限近くにあるので、それ以上は下げられません。成長戦略には、政府支出や減税といった需要側の手当てを添える必要がある、というのがここでの答えです。

「世界不況+資源高」の借金が1900%まで行きます。現実的ですか?

現実的ではありません。これは「世界が24年間ずっと不況で、資源も高いまま」という、極端な前提を置き続けた場合の姿です。実際なら途中で政策が変わりますし、モデルにも「ある日突然国債が売れなくなる」といった非線形は入っていません。悪い方向の限界を見るための目盛りとして使ってください。

格差や、業種ごとの違いは見られますか?

見られません。このモデルには平均的な給与所得者ひとりしかいません。分配(格差)も、産業構造も、地域差も扱っていません。個人の手取りを細かく見たいときは、同じサイトの「手取りを増やそう!」のほうが向いています。

スマホでも遊べますか?

遊べます。政策パネルが上、グラフが下に積み替わります。ただしグラフを何枚も見比べるなら、パソコンのほうが圧倒的に見やすいです。

入力した内容はどこかに送信されますか?

送信されません。計算はすべてブラウザの中で完結します。会員登録も不要です。(何回開かれたかを数えるための、ページ単位のアクセス計測だけは行っています。)

制度が変わったら更新されますか?

はい。税率も統計も毎年変わるので、実績値は1つのファイルにまとめてあって、年度が変わったらそこだけを直せる作りにしてあります。2026年8月に閣議決定された「飲食料品を2027年4月から1%へ」のような動きも、決まり次第プリセットに足していきます。