生鮭は刺身で食べられない|サケ・マスにはアニサキスと、体長5〜10mの条虫がいる
店の「生鮭」は、刺身用という意味ではない。
サケ・マスにはアニサキスと日本海裂頭条虫がいることがある。
保健所の資料に沿って、冷凍の条件とキャンプでの火の通し方を整理した。
スーパーや道の駅で「生鮭」と書いてある切り身は、刺身にしないで焼いて食べる。
サケやマスには、アニサキスのほかに、体長5〜10メートルになる日本海裂頭条虫という寄生虫がいることがあるからだ。
練馬区保健所の資料には、予防法としてはっきり「サケ、マス類の生食をしないようにしましょう」と書かれている。
秋は、直売所や道の駅に秋鮭の切り身が並ぶ季節だ。
色がきれいで、身もしっかりしているので、つい刺身でいけそうに見える。
この記事では、保健所と東京都の資料に沿って、サケ・マスの寄生虫の話と、キャンプで生鮭を食べるときの火の通し方を整理する。
「僕は〜と思う」と書いたところだけが、僕の意見になる。
サケ・マスにいる寄生虫は2種類ある
練馬区の「知っていますか?食品の寄生虫」には、サケ・マスに関わる寄生虫が2つ出てくる。
1つはアニサキスで、寄生する魚としてサバ、サケ、ニシン、スルメイカ、イワシ、サンマなどが挙げられている。
東京都保健医療局のアニサキスのページにも、よく知られた魚としてサケが入っている。
もう1つが日本海裂頭条虫だ。
寄生する魚は「サケ、マスなど」で、特にサクラマスの寄生率が高いとある。
成虫は体長5〜10メートル、体の幅は15〜20ミリで、別名はサナダムシ。
症状は、下痢やお腹が張る感じなど、軽い消化器の症状が一般的だと書かれている。
アニサキスの話は前に2本書いたので、くわしくはそちらに譲る。
サケの場合は、アニサキスだけ気をつければいい魚ではない、というところを押さえておきたい。
「生鮭」は、生で食べられるという意味ではない
店で見かける「生鮭」は、塩をした「塩鮭」と区別するための呼び方として使われている、と僕は受け取っている。
パックに「刺身用」「生食用」と書いていないものは、焼いたり煮たりする前提で並んでいるものだ。
色の鮮やかさや身の張りは、新鮮かどうかの目安にはなっても、寄生虫がいないことの証明にはならない。
これはアニサキスの記事で書いた「新鮮さと、生で食べられるかは別の話」と同じ構図だと思う。
釣りをする人から丸ごともらったサケ・マスも、刺身にしない側に入れておく。
練馬区の資料には、魚の内臓にいる寄生虫が筋肉へ移ることがあるので、鮮魚の内臓はなるべく早く取り除くように、ともある。
冷凍の条件は「中心部まで−20℃で24時間以上」
練馬区の資料では、日本海裂頭条虫もアニサキスも、予防として「中心部まで−20℃で24時間以上冷凍」を挙げている。
東京都のページでも、事業者向けの対策として冷凍はマイナス20℃で24時間以上、加熱は70℃以上か60℃で1分以上と書かれている。
通常の料理で使う程度の酢、わさび、しょう油では、アニサキスは死なない。
大事なのは「中心部まで」という言葉だと思う。
家庭の冷凍庫で厚い切り身を凍らせても、中心がいつから何度になったのかは、家では確かめようがない。
だから僕は、家で凍らせた生鮭を刺身やルイベにするのはおすすめしない。
生で食べたい日は、最初から「生食用」と書いて売られているサーモンを選ぶのが確実だと思う。
キャンプでは、火を中まで通す料理にする
キャンプで生鮭を食べるなら、焼く・蒸す・煮るのどれかにする。
網で直接焼くより、アルミホイルに野菜と一緒に包むか、スキレットでふたをして蒸し焼きにするほうが、外だけ焦げて中が生という失敗が少ない。
焚き火で魚が黒焦げか生焼けになりやすい理由は、別の記事に書いた。
火が通ったかどうかは、身のいちばん厚いところを箸で割って見る。
中まで色が変わって、身がほろっとほぐれれば食べごろだ。
割ってみて中心が半透明なら、ふたをしてもう少し待つ。
温度計を持っていない日ほど、この「割って見る」は省かないほうがいい。
持っていくときの段取り
生鮭の切り身は、買ったらクーラーボックスの冷たいところに入れて、現地では早めに火を入れる。
東京都のページにも、魚は常温で放置すると、アニサキスが筋肉へ移りやすくなるとある。
切り身でも、冷やしたまま運んで早めに食べるのは変わらない。
丸ごともらったサケ・マスなら、現地でまず内臓を出して、身を冷やす。
魚をもらったときに先にやることは、前の記事にまとめてある。
まとめ
サケ・マスには、アニサキスと日本海裂頭条虫の2つの寄生虫がいることがある。
「生鮭」の切り身は刺身にしないで、中まで火を通す料理にする。
生で食べたい日は、生食用と書いて売られているものを選ぶのがいちばん確実だと、僕は思う。
関連する記事:アニサキスの見分け方と冷凍・加熱の条件/アニサキスの見分け方と症状/焚き火で魚を焼くと、なぜ黒焦げか生焼けになるのか/釣った魚をもらったら、現地で先にやることが二つある