2026.09.23 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット59,693 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

カレーの作り置きと食中毒|ウエルシュ菌は煮込んでも死なない。小分けして冷やして持っていく

鍋のまま一晩置いたカレーは、ウエルシュ菌が増えやすい。
熱に強い芽胞を作るので、煮込んでも生き残るからだ。
キャンプに作り置きを持っていく段取りを、東京都と食品安全委員会の資料で整理した。

前の晩に作ったカレーを鍋ごと室温に置いておくと、ウエルシュ菌という食中毒菌が増えやすい。
この菌は熱に強い芽胞を作るので、煮込んでも生き残り、冷めていく途中の12〜50℃で増える。
キャンプに作り置きを持っていくなら、小分けして急いで冷やし、10℃以下で運んで、食べる前にしっかり温め直す。
この記事では、東京都保健医療局と食品安全委員会の資料をもとに、その段取りを整理する。

僕の考えは「僕は〜と思う」と書き分けてある。

ウエルシュ菌は「加熱したから大丈夫」が通じない

東京都保健医療局の説明では、ウエルシュ菌は人や動物の腸、土の中など、自然界に広くいる菌だ。
食品では、とくに肉の汚染が多いとされている。

厄介なのは、熱に強い芽胞を作ることだ。
食品安全委員会のファクトシートによると、食中毒を起こすのは主に、100℃で1〜6時間加熱しても生き残る芽胞を作るタイプで、ふつうの加熱調理では死滅させられないと考えられている。
煮込みで他の菌が死んでも、ウエルシュ菌の芽胞だけが残る。

東京都は、「加熱済食品は安心」という考えがウエルシュ菌の食中毒の原因になっている、と書いている。

カレーや煮込みで起きやすい理由

原因になりやすいのは、肉や魚、野菜を使った煮込み料理だ。
東京都の説明では、カレー、シチュー、スープ、麺つゆなどを、食べる前日に大量に作り、大きな鍋のまま室温で冷ましていた例が多い。

食品安全委員会のファクトシートには、その理由が4つ挙げられている。

  • 加熱で他の菌の多くが死に、熱に強い芽胞だけが残る
  • 加熱によって、芽胞の発芽がうながされる
  • 加熱で、食品の中の酸素が追い出される(ウエルシュ菌は酸素を嫌う菌)
  • ゆっくり冷ますと、55℃くらいから急に増える

菌が増えるのは12〜50℃で、いちばん増えやすいのは43〜45℃だという。
大きな鍋いっぱいのカレーは、外側から冷めても、真ん中はなかなか温度が下がらない。
一晩かけてこの温度帯をゆっくり通ることになる。

症状は、食べてから約6〜18時間後の腹痛と下痢が主だと、東京都は書いている。

作り置きをキャンプに持っていく段取り

東京都の予防のポイントは、前日調理を避けて、作ったらなるべく早く食べることだ。
どうしても保管するときは、小分けしてから急いで冷やす、と書かれている。
食品安全委員会のファクトシートも、小分けにして10℃以下か55℃以上で保存すること、温め直して菌と毒素を処理することを、防ぐ手立てに挙げている。

これをキャンプの持ち物に当てはめると、こうなると僕は思う。

1. 鍋のまま冷まさない。浅く小分けにする

作り終えたら、鍋に入れたまま置かずに、すぐ浅い容器か保存袋に分ける。
量が少なく薄いほど、真ん中まで早く冷える。
保存袋なら、平らにならしておくと冷めるのが早く、凍らせてもクーラーボックスの中で場所をとらない。

2. 冷蔵庫か冷凍庫に入れて、10℃以下で運ぶ

粗熱が取れたら冷蔵庫か冷凍庫に入れる。
持っていく日は、凍らせたものをそのままクーラーボックスに入れるのがいちばん安心だと思う。
凍ったカレーは、それ自体が保冷剤の代わりにもなる。
下味をつけた肉を凍らせて積む話は、肉を凍らせてから積む記事に書いた。
ご飯も同じように凍らせて持っていける。ご飯を冷凍して持っていく記事にまとめてある。

3. 食べる前に、かき混ぜながら温め直す

食品安全委員会のファクトシートによると、ウエルシュ菌が作る毒素は熱に弱く、60℃で10分ほどの加熱で働かなくなる。
温め直しは、表面がぐつぐつしてきたら終わりにせず、底からかき混ぜて、真ん中までしっかり熱くする。
大きなかたまりのまま温めると、真ん中だけぬるいまま残りやすい。

4. 食べきれる量だけ温める

温め直したものを、また鍋のまま置いておくと、同じことのくり返しになる。
僕は、その食事で食べる分だけを袋から出して温めるのがいいと思う。
残った分を翌朝まで持ち越すなら、また小分けして冷やす。

キャンプで気をつけたいこと

キャンプ場では、夜の気温が下がるので鍋をそのまま外に置いておきたくなる。
でも、鍋いっぱいの煮込みは外気が冷えていても真ん中はなかなか冷めない。
菌が増える12〜50℃は、春や秋の夜の外気よりずっと上の温度だ。

クーラーボックスの中も、氷が溶けてくると10℃以下を保てているとは限らない。
作り置きを入れるなら、保冷剤や凍らせた食材と一緒にして、開ける回数を減らしておく。
クーラーボックスの冷え方そのものは、くらしラボの記事でくわしく扱っている。

まとめ

  • ウエルシュ菌は熱に強い芽胞を作るので、煮込んでも生き残る
  • 増えるのは12〜50℃。鍋のままゆっくり冷ますと、この温度帯に長くいる
  • 作り置きは小分けして急いで冷やし、10℃以下で運ぶ。凍らせて持っていくのがいちばん安心
  • 食べる前に、かき混ぜながら真ん中まで温め直す。食べる分だけ温める

出典

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