焼き牡蠣の加熱時間の目安|「加熱用」は鮮度の区分ではなく、育った海の区分だった
焼き牡蠣の加熱は、中心部85〜90℃で90秒以上が目安。
殻が開いた時点では、まだ早いことがある。
生食用と加熱用の違い、トングの分け方までまとめた。
焼き牡蠣の加熱の目安は、厚生労働省のノロウイルスQ&Aにある「中心部が85℃〜90℃で90秒以上」だ。
殻が開くのは、火が通り始めた合図にはなっても、中心がその温度に届いたという保証にはならない。
殻が開いてからもう少し焼き、身が縮んで汁が煮立つのを待つ。
それが、僕の考える焚き火での目安だ。
牡蠣の季節になると、キャンプ場の網の上に殻付きの牡蠣が並ぶ。
焚き火と牡蠣は相性がいい。
ただ、牡蠣は「新鮮なら大丈夫」が通じない食材の代表だ。
「加熱用」は、鮮度の区分ではない
スーパーで見る「生食用」と「加熱用」は、新しさの違いだと思われがちだ。
広島県の説明では、この区別は鮮度ではなく、牡蠣が採れた海域と浄化処理の有無で決まる。
指定海域で育った牡蠣は、基本的に生食用になる。
条件付きの海域のものは、決められた方法で浄化すれば生食用として出荷できる。
指定外の海域で育ったものは、必ず加熱調理用になる。
つまり、加熱用の牡蠣は「古いから焼く」のではない。
育った海の条件で、最初から火を通して食べる前提になっている。
どれだけ新しくても、加熱用を生で食べていい理由にはならない。
ノロウイルスは、牡蠣の中に溜まっている
厚生労働省のQ&Aによると、二枚貝は海水の中のウイルスを取り込んで、体の中で濃縮してしまう。
ノロウイルスに汚染された二枚貝による食中毒は、生や加熱不足のもので起きている。
十分に加熱すれば、食べても問題はないとされている。
加熱の目安は、中心部が85℃〜90℃で90秒以上。
ノロウイルスは培養できないため正確な値は出せず、似たウイルスのデータから決められた目安だそうだ。
それでも、家庭で守れる線としてはこれがいちばんはっきりしている。
潜伏期間は24〜48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛。
キャンプの翌日や翌々日、家に帰ってから出ることになる。
その場では何ともないので、加熱不足に気づきにくい。
焚き火の網で焼くときの目安
焚き火や炭火は、場所によって火力がかなり違う。
網の真ん中と端では、同じ時間を置いても火の通り方が変わる。
ここから先は、温度計で測った話ではなく、僕の考えとして書く。
一つ目は、殻が開いたあとだ。
開いた瞬間に取らず、そこからもう少し置く。
中の汁がふつふつと煮立っていれば、身のまわりはかなり熱くなっている。
二つ目は、身の形だ。
火が通ると、牡蠣の身は縮んで、ふっくら盛り上がる。
透けた感じが残っているうちは、まだ早いと思っている。
三つ目は、大きさだ。
大ぶりの牡蠣ほど、中心まで熱が届くのに時間がかかる。
大きいものは網の火の強いところに置いて、ほかより長めに焼く。
確実にやりたいなら、料理用の温度計で身の中心を測るのがいちばんだ。
殻のまま焼くのが不安なら、殻から外して鍋で煮たり、ホイルで蒸し焼きにしたりすると、火の通りがそろいやすい。
生の牡蠣をさわった手と道具を、分けておく
焼く前の牡蠣を扱った手やトング、まな板は、それだけで汚染のもとになる。
焼き上がった牡蠣を、生の牡蠣をつかんだトングで取ってしまうと、加熱した意味が薄れる。
厚生労働省は、手洗いがノロウイルスを減らす最も有効な方法だとしている。
石けん自体にウイルスを直接やっつける力はないが、手の脂の汚れを落とすことで、ウイルスをはがれやすくする。
消毒用のアルコールは、石けんと流水の手洗いの代わりにはならない、とも書いてある。
キャンプ場で流水が遠いなら、トングを「生用」と「焼けた用」の二本に分けておくのが簡単だと思う。
まな板や包丁は、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効とされている。
湯を沸かせる焚き火のそばなら、鍋一杯の熱湯で道具をまとめて処理できる。
生肉と道具を分ける考え方は、キッチンバサミの記事にも書いた。
まとめ
焼き牡蠣は、殻が開いた時点ではなく、中心が85℃〜90℃で90秒以上を目安に焼く。
加熱用は鮮度ではなく育った海の区分なので、新しくても生では食べない。
生の牡蠣をさわったトングと手は、焼けた牡蠣に触れる前に分けておく。
魚介の寄生虫や加熱の話は、アニサキスの見分け方でもまとめている。