灯油ポリタンクを車で運ぶ積み方|20L三つが倒れて60L流れた事故の原因は二つ
灯油のポリタンクは、適合容器・蓋・固定の三つで運ぶ。
埼玉県の事例では、20L三つが荷台で倒れて約60Lが流れ出た。
荷室での置き場所と止め方を、公的な資料から整理した。
灯油のポリタンクを車で運ぶときに守ることは、三つに絞れる。
消防法令の基準に合った灯油用の容器を使うこと、蓋を最後まで締めること、そして車体に固定して倒さないことだ。
埼玉県の事故事例では、20Lのポリ容器三つが荷台で倒れて、灯油が約60L流れ出た。
原因は、容器を固定していなかったことと、蓋の締め付けが足りなかったことの二つだった。
冬キャンプで石油ストーブを使う人や、ガソリンスタンドで家の灯油を買う人にとって、ポリタンクの運搬は毎年のことだと思う。
慣れている作業ほど、積み方は自己流になりやすい。
公的な資料に書いてあることを、車に積む場面に当てはめて整理しておく。
60Lが流れ出た事故は、固定と蓋の二つが原因だった
埼玉県危険物事故防止連絡会の事例では、灯油入りの20Lポリ容器を三つ、軽貨物自動車の荷台に積んで走っていた。
走行中の振動でポリ容器が倒れ、蓋が外れて、荷台と路上に約60Lの灯油が流れ出た。
原因として挙げられているのは、容器が車体に固定されていなかったこと。
もう一つは、蓋の締め付けが不十分だったことだ。
対策は、ロープなどで車体に固定することと、蓋を確実に閉めること。
この事例は荷台だが、乗用車の荷室でも同じことが起きると僕は思う。
荷室の中で倒れれば、灯油は床のカーペットにしみ込む。
においは簡単には抜けないし、乗っている人のすぐ後ろに可燃性の液体が広がることになる。
灯油用の容器を使う。ほかの燃料は入れない
横浜市の消防は、灯油を運搬・保管するときは、消防法令で定める基準に合った容器に入れる必要があるとしている。
灯油専用の容器にガソリンなどを入れると、容器が劣化・変形して漏れるおそれがある、とも書いている。
広島市の消防は、ガソリンの運搬に灯油用のポリエチレン容器を絶対に使ってはいけない、としている。
ガソリンには金属製の携行缶を使う。
同じように見える容器でも、中身ごとに決まった容器がある。
容器そのものの状態も見ておきたい。
横浜市のページには、運搬中の灯油用ポリエチレンかんから灯油が漏れた事故が紹介されている。
原因は、口のねじ部分が規定の高さに足りず、パッキンが働かなかったことだった。
ひびや変形があるもの、パッキンが傷んでいるものは使わない、と広島市も書いている。
荷室での置き場所と、止め方
ここからは、公的な資料をもとにした僕の考えとして書く。
置き場所は、荷室のいちばん奥の床がいいと思う。
床に置けば重心が低く、急ブレーキでも前に飛びにくい。
ほかの荷物の上に載せると、倒れたときに落ちる高さが増える。
止め方は、荷締めベルトで車体のフックに固定するのが確実だ。
ベルトが掛けられない車なら、ポリタンクがぴったり収まる箱やコンテナに入れて、箱ごと動かないように周りを詰める。
箱に入れておけば、万が一漏れても荷室に広がりにくい。
荷締めベルトの掛け方は、荷締めベルトの記事にまとめた。
口は上に向けて積む。
寝かせて積むと、パッキンが少しでも甘ければそこから漏れる。
給油ノズルを差したまま運ばない、というのも同じ理由だ。
直射日光と、積みっぱなし
広島市の消防によると、灯油用のポリエチレン容器は、直射日光が当たると紫外線で劣化が進むことがある。
横浜市も、直射日光が当たらない暗い場所で保管するよう書いている。
車の荷室は、窓から日が差し込むと中がかなり熱くなる。
僕の考えでは、ポリタンクは運ぶときだけ積んで、着いたらすぐ降ろすのがいい。
買い出しのついでに積んだまま何日も走る、というのは避けたい。
灯油からは可燃性の蒸気が出る。
車内で火を使わないのはもちろん、給油するときはストーブを必ず一度消す、と横浜市は案内している。
キャンプ場でストーブに給油するときも、同じように火を消してから入れる。
ポリタンクを買い替えるなら、消防法の基準に適合している表示があるものを選ぶ。
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荷物の重さを足し算する話は、ルーフボックスの耐荷重の記事にも書いている。
ポリタンク20Lは、中身だけでもかなり重い。
荷室の奥の床に置くのは、重いものを低く積むという意味でも理にかなっていると思う。
まとめ
灯油は、消防法令の基準に合った灯油用の容器で運ぶ。
蓋は最後まで締めて、口を上に向け、荷室の奥の床に置いてベルトか箱で固定する。
積みっぱなしにせず、着いたら降ろして日の当たらない場所に置く。
60Lが流れ出た事故の原因は、固定していなかったことと蓋が甘かったことの二つだった。
どちらも、積むときの数十秒で防げることだ。

