ルームミラーが荷物で見えない時の違反の考え方|道交法55条2項の「後写鏡の効用」と、積み方の直し方
荷物でルームミラーがふさがる積み方は、道交法55条2項の「後写鏡の効用」で考える。
ルームミラーだけなら問題ないとする解説もあるが、条文は鏡を区別していない。
出発前に確かめる三つのことまでまとめた。
荷物でルームミラーが見えなくなる積み方は、道路交通法55条2項の「後写鏡の効用を失わせる積載」に当たるかどうかで考える。
ドアミラーで後ろが確認できていればルームミラーだけ塞がっても問題ない、とする解説がある一方で、条文はルームミラーとドアミラーを分けて書いていない。
僕は「違反にはならない」と言い切らず、ルームミラーが見える高さまでしか積まない、と決めておくのがいちばん確実だと思う。
荷物を積み終えて出発し、信号待ちでルームミラーを見たら、映っているのは荷物だけ。
キャンプ帰りにありがちな光景だ。
後ろに何がいるのかをサイドミラーだけで判断して走るのは、かなり心もとない。
道路交通法55条2項は、こう書いている
まず条文を見ておく。
道路交通法55条2項は、運転者の視野やハンドルなどの操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、または外から方向指示器・ナンバープレート・ブレーキランプ・尾灯・後部反射器が見えなくなるような乗車や積載をして運転してはならない、と定めている。
ここでいう後写鏡は、後ろを確認するための鏡のことだ。
ルームミラー(車の中の鏡)も、ドアミラーやフェンダーミラー(車の外の鏡)も、どちらも後写鏡に入る。
条文には「ルームミラーは除く」とも「ドアミラーだけ」とも書かれていない。
ルームミラーだけが塞がる場合は、解釈が分かれている
くるまのニュースの記事は、55条2項が禁じているのは後写鏡がまったく使えない状態で、ドアミラーなどで後方を確認できれば、ルームミラーが一時的に塞がっても法律的には問題ない、と説明している。
車の装備の基準である道路運送車両の保安基準44条も、求めているのは「後写鏡又は後方等確認装置」で後方の交通状況を確認できることだ。
荷室の窓がないバンのように、もともとルームミラーで後ろが見えない車が走っているのも、この考え方に沿っている。
ただ、ルームミラーを塞ぐ積載について、どこからが違反かという明確な線は、僕が調べた範囲では公的な資料に見当たらなかった。
最後に判断するのは取り締まる側で、ネットの解説ではない。
道路交通法70条には、道路や交通の状況に応じて、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない、という安全運転の義務もある。
後ろが見えないまま車線変更をして事故になれば、ルームミラーの話とは別に、運転の仕方そのものが問われる。
はっきりアウトになるのは、この三つ
解釈が分かれるのは「ルームミラーだけ」の場合だ。
条文を素直に読むと、次の積み方は言い逃れがしにくい。
- ドアミラーまで荷物で見えない(後写鏡がどれも使えない)
- ルーフや後ろのキャリアに積んだ荷物で、ブレーキランプ・尾灯・方向指示器・ナンバープレートが隠れる
- 助手席や足元に積んだ荷物で、運転者の視界やハンドル・ペダルの操作が妨げられる
キャンプの帰りは、ヒッチキャリアやリアのラックに荷物を足したくなる。
そのときに見落としやすいのが、後ろのランプとナンバーだと僕は思う。
運転席からは見えないので、積んだあとに一度、車の後ろへ回って確かめたい。
「違反じゃない」と「安全」は別の話
仮に法律上は問題ないとしても、サイドミラーだけで走るのが楽なわけではない。
ルームミラーは正面から後ろをまとめて映してくれるけど、サイドミラーは左右に分かれていて、真後ろの車間や、車線変更のときにすっと寄ってくるバイクを一目で捉えにくい。
後ろのバイクに気づかないまま発進しかける、ということも起きかねない。
だから見直したいのは、積み方そのものだ。
積み方を変えて、視界を取り戻す
わかりやすいのは、荷物の背の高さを後部座席の窓の下端より上に出さない、というルールを決めておくことだ。
それだけで、ミラーの中がまるごと荷物で埋まることはなくなる。
カーブで荷物がずれる話(積み方より先に置き場所を見る回)と同じで、まず疑うべきは荷物の量そのものより、どこにどう置くかのほうだ。
天井と背もたれのあいだ(天井と背もたれが空いていた回)のような、視界を邪魔しない場所へ回せるだけ回してから、残りは背の低い箱にまとめて荷室の下側に置くといい。
重いものを下に、軽くてかさばる寝袋やマットを上に、という順番も視界に効く。
かさばるものを最後に上へ載せると、そこだけ山になってミラーをふさぎやすいからだ。
荷物が動かないように固定するやり方は、荷締めベルトの記事に書いた。
それでも隠れる分は、ミラーの外へ逃がす
キャンプの荷物は、どうしても一度に積みきれない日がある。
そういう日は無理に車内へ詰め込まず、ルーフボックス(耐荷重を先に計算した回)のように、車内の視界に関係しない場所へ荷物を逃がす選択肢を持っておくと、積み方そのものに無理をしなくて済む。
ルーフに積むときも、55条2項の「車両の安定を害する」積載にならないよう、重さには気をつけたい。
それでも視界が心もとないなら、後ろのカメラの映像を映すデジタルミラーという手もある。
荷物で鏡がふさがっても、カメラの映像で真後ろが見える。
保安基準44条も、鏡だけでなく「後方等確認装置」という言葉で、カメラを使う装置を基準の中に入れている。
法律の話とは別に、単純に見えたほうが運転は楽だ。
出発前に確かめる三つのこと
積み終わったら、走り出す前にこの三つだけ見ておく。
- 運転席に座って、ルームミラーで後ろの窓が見えるか
- 左右のドアミラーで、後ろと斜め後ろが見えるか
- 車の後ろに回って、ブレーキランプ・尾灯・ナンバーが荷物やキャリアで隠れていないか
一つ目でルームミラーが埋まっていたら、僕は上に載せた寝袋やマットを一つ下ろす。
それで足りなければ、助手席の足元ではなくルーフかキャリアに回す。
運転席に座ってミラーをのぞくだけで、帰り道の心もとなさはだいぶ減らせると思う。
出典
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第55条・第70条)
- e-Gov法令検索「道路運送車両の保安基準」(第44条)
- くるまのニュース「車のバックドア開いたままの走行は違法? 荷物の積みすぎはNG行為なのか」
PR 本記事は楽天アフィリエイトを含みます。


