荷室ばかり見ていた。天井と背もたれが空いていることに気づくまで
出発の朝、荷物が載り切らなくて三回積み直した。
足りていなかったのは荷室ではなく、使っていない場所のほうだった。
出発の朝、荷物が載り切らなくて三回積み直した。
毎回そうなるので、そろそろ大きい車が要るのかと思っていた。
足りていなかったのは荷室ではなく、使っていない場所のほうだった。
ずっと床だけを見ていた
荷物を積むとき、僕はいつも荷室の床を見ていた。
面積が決まっているので、そこに何を並べるかというパズルになる。
背の高いものをひとつ入れると、その上の空間はまるごと死ぬ。
車内を横から見ると、使っていない場所はけっこうある。
天井の下、後席の背もたれの裏、シートとコンソールのあいだ。
どれも床ではないので、荷物の置き場として最初から数えていなかった。
天井は、軽くてかさばるものの置き場
最初に手をつけたのが天井だった。
アシストグリップに引っかけるネットを張ると、頭の上に一段ぶんの棚ができる。
ここへ入れるのは、寝袋、マット、上着、たたんだタープのような、軽くてかさばるものに限る。
重いものは絶対に載せない。
急ブレーキで落ちてきたら、頭の上にあるだけに危ない。
目安として、片手でひょいと持てないものは載せないと決めている。
後ろが見えなくなる高さまで積まないことも、走り出す前に一度確認しておきたい。
背もたれの裏は、すぐ使うものの指定席
後席の背もたれの裏は、走っている最中に手が届く数少ない場所だ。
ここには、しまい込むと困るものを入れておく。
ティッシュ、ごみ袋、ウェットティッシュ、地図、充電ケーブル。
荷室の奥にしまうと、要るたびに車を停めて後ろへ回ることになる。
この往復が一日に何回もあるのが、地味に効いていた。
手前の一段を作っただけで、走行中に停まる回数が減った。
シートの隙間は、収納というより落とし物対策
運転席とコンソールのあいだの隙間は、収納としては小さい。
それでも埋める価値があるのは、あそこが物を吸い込むからだ。
スマホ、小銭、鍵。
走行中に落として、停めるまで拾えないというのが、いちばん落ち着かない。
差し込む形のポケットを入れてからは、落ちて消える事故がなくなった。
収納が増えたというより、探し物の時間が減ったという感覚に近い。
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荷物を減らす前に、置き場を数える
三つ足しただけで、積み直しの時間が目に見えて減った。
荷室の床に載せるものが減ったぶん、後ろの視界も戻ってきた。
車を買い替える前に、いま乗っている車の使っていない場所を数えてみるほうが先だと思う。
注意しておきたいのは、増やした置き場に物を詰めすぎないことだ。
空いていると入れたくなるが、走っている車の中で動くものは、全部いつか落ちる。
置き場が増えたら、そのぶん軽いものを分散させる。
そう考えるようになってから、出発前の三十分が返ってきた。