テントの結露対策|夜は上下2か所を開けて換気し、床に一枚足す。朝は乾かしてからしまう
テントを濡らしているのは雨でも生地でもなく、寝ている自分の呼吸と汗。
夜は上下2か所を開けて空気を動かし、床に一枚足す。朝は拭いて、乾かしてからしまう。
テントの結露対策は、夜の換気と床の層の二つでだいたい決まる。
換気は上下に一か所ずつ口を開けて空気を動かし、床はマットの下に一枚足して冷たい面を体から離す。
そのうえで、朝は拭いて、乾かしてからしまう。
この記事では、結露が起きる仕組みから、夜の換気、床、生地の違い、撤収のしかたまでを順に整理する。
生地や構造、撤収の話はテントメーカーの案内をもとにしている。
開ける場所の決め方や道具の使い方は、僕の考えだ。
朝、テントの天井にびっしり水滴がついている。
うっかり体が触れると、背中に落ちてくる。
雨も降っていないのに、寝袋の足元がじっとり湿っている。
拭いて、乾かして、畳んで。
秋から冬のキャンプでは、朝のいちばん気持ちのいい時間をこれに取られがちだ。
結露はゼロにはできない。
でも、夜のうちにやることで量は変えられる。
濡れているのは、雨のせいでも生地のせいでもない
生地が水を通していると思われがちだが、そうではない。
人は寝ている間も、呼吸と汗で水を出し続けている。
出た水は空気の中に混ざって、テントの中を漂う。
そのままなら見えないままだ。
ところが夜が更けると、外気で冷やされた生地の内側だけが冷たくなる。
冷たいものに温かい空気が触れると、空気は水を抱えきれなくなって、そこで水に戻る。
冷えた麦茶のグラスの外側が濡れるのと、起きていることは同じだ。
つまり結露は、湿気の量と温度差の掛け算で決まる。
このどちらかを小さくしないと、生地をいくら高いものに替えても濡れる。
手を付けやすいのは、湿気の量のほうだと思う。
夜は、開ける場所を上下二か所にする
寒いのが嫌で、寝る前に入口も窓も全部閉めてしまう人は多い。
閉め切った中で一晩ぶんの水分を出しているのだから、行き場が無い。
出た水が、そのまま天井で待っている。
開けるなら二か所で、低いところと高いところをひとつずつにする。
たとえば足元の裾側を指二本ぶんだけ、天井近くのベンチレーターを全開に。
低い口から冷たい空気が入って、高い口から湿った空気が出ていく。
煙突と同じ理屈で、上下に差をつけるだけで空気が勝手に動く。
一か所だけ開けても、あまり効かない。
入る口と出る口の両方が要る。
入口のファスナーを少し開けただけで換気したつもりになるのは、よくある勘違いだ。
開けると寒くならないかは心配になる。
ただ、寝袋の中が湿ると保温力は落ちる。
乾いていることも暖かさのうちだと僕は思う。
それでも動かないときは、風を作る
風の無い夜、林の中や谷筋では、開けても空気が動かないことがある。
そういう夜は道具に頼るのも手だ。
小さなクリップ式のファンを、天井に向けずに斜め上へ弱で回しておく。
強くする必要はない。
空気が止まっていないという状態を作れれば、生地の一点だけが冷えるのを防げる。
乾電池式だと一晩もたないものが多いので、充電式で容量の大きいものを選んだほうがいい。
朝方のいちばん冷える時間に止まっていたら意味がない。
背中が濡れる原因は、天井ではなく床にある
朝、寝袋の背中側だけが湿っているときは、天井から落ちた水とは限らない。
地面はいちばん冷たい。
その上に敷いたマットの下側で、同じことが起きている。
上からは体温、下からは地面の冷え。
挟まれた面で水に戻る。
ここは風では解決しない。
できるのは、冷たいものと自分の間に層を足すことだ。
マットの下にもう一枚はさむと、冷たい面が体から遠くなる。
床の話は傾きと段差を先に直す回にも書いたけれど、寝心地と乾き具合はだいたい同じところで決まっている。
テントの外側、地面とフロアのあいだも同じだ。
DODはメンテナンスの解説で、地面とテントのあいだにグランドシートを敷いておくと、地面からの水分による結露を軽減できると書いている。
フロアの汚れも、グランドシートだけ洗えば済むようになる。
寝袋の下に除湿用のシートを一枚入れるのも手だ。
もともと家の布団用に売られているもので、湿気を吸って、干せばまた使える。
色で吸い具合が分かるものを選ぶと、どれくらい水が出ているかが目で確認できる。
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生地と屋根の作りでも、結露のしやすさは変わる
テントの生地によっても、結露の出方は違う。
DODの生地の解説では、綿は空気が通る隙間があるので結露しにくい、と説明している。
ポリエステルとの混紡のT/C素材も、コーティングをすると隙間がふさがって、その良さが失われてしまうそうだ。
逆に言えば、防水のコーティングがしっかりした生地は、湿気を外へ逃がしにくいのだろうと僕は思う。
屋根を二重にする作りもある。
コールマンの2ルームテントには、天井の結露を軽減するためのルーフフライが付いていて、かけるとフライシート内の結露を軽減できると書いてある。
天井の生地がもう一枚あることで、内側の生地が外気でじかに冷やされにくくなるのだと僕は受け取った。
とはいえ、テントを買い替えるのは最後の手段だと思う。
今のテントでも、換気と床でできることは多い。
拭く道具と、拭く順番
それでもゼロにはならないので、最後は拭く。
普通のタオルは、水を吸うと重くなって、そこから先は塗り広げているだけになりやすい。
洗車用の吸水クロスは、絞ればまたすぐ吸う。
テントの結露拭きには、こちらのほうが向いている。
拭き方にも順番がある。
先に天井、次に壁、最後に床。
逆からやると、上から落ちてきた水でまた床が濡れる。
拭き終わったら、外側も一度なでておく。
朝露が乗ったまま畳むと、家に着く頃には匂いが出やすい。
濡れたまましまうと何が起きるかは、夏に使った寝袋を洗わずにしまう回にも書いた。
乾かしてからしまう。乾かないときは袋に入れて持ち帰る
拭いたあとは、乾かしてからしまう。
コールマンのよくある質問では、テントや寝袋を乾燥させずに放置するとカビや嫌な臭いの原因になる、と書いている。
現地でしっかり乾かせれば、家でのメンテナンスはいらず、しまうだけで大丈夫だそうだ。
フロアの裏側も忘れやすい。
DODは、テントを横に倒して底面の水滴や汚れを乾かす方法を紹介していて、水分が残ったまま収納するとカビや生地が傷む原因になるとしている。
雨や朝露でどうしても乾かないときもある。
コールマンは、収納袋に戻さずに90Lのごみ袋にまとめて入れて持ち帰り、家で広げて乾かすように案内している。
立てて干せないなら、フェンスにかけたり、風通しのいいところで少しでも広げておく。
収納袋にきっちり詰めるのは、乾いてからでいいのだと思う。
結露は無くならない。
水を出しているのは自分自身だから、出さない方法が無いのだ。
できるのは、出た水をその場に留めないことと、冷たい面を作らないことの二つだと思う。