バーナーを選ぶ前に、ガス缶が二種類あることを知っておきたかった
友人から「バーナーを買うならどれがいい」と聞かれて、答えに詰まった。
本体より先に決まってしまうものがあるからだ。
缶が、二種類ある。
友人から、そろそろバーナーを買おうと思うのだけどどれがいいか、と聞かれた。
答えようとして、詰まった。
本体の話をする前に、決まってしまうものがあるからだ。
ガスの缶が、二種類ある。
そこを選び間違えると、あとから本体だけ買い替えることになる。
まず、缶が二種類ある
ひとつはCB缶。
家のカセットコンロに入れる、あの細長いカセットボンベと同じものだ。
コンビニでも売っている。
もうひとつはOD缶。
アウトドア用の、背が低くて丸い缶。
上に直接バーナーを載せて使う形が多い。
この二つに互換性はない。
変換するアダプタも売ってはいるけれど、まずは素直にどちらかに寄せたほうがいい。
本体を選ぶというより、どちらの缶で生きていくかを選ぶ話だと思っている。
旅先で切らしたとき、どちらが手に入るか
僕がいちばん重く見ているのがここだ。
CB缶は、コンビニ、スーパー、ホームセンター、どこにでもある。
値段も安い。
三本まとめて数百円で買える。
OD缶は、アウトドア用品店か、大きめのホームセンターまで行かないと置いていない。
山あいのキャンプ場から一時間走って、結局買えずに戻ってきたことがある。
長距離を走っていた頃、軽油とアドブルーをどこで入れられるかを頭に入れて走っていた。
補給できる場所が多い規格を選ぶ、というのはそのときの癖だと思う。
道具は、切らしたときにいちばん困る。
寒くなってくると、差が出る
ガスは、缶の中では液体で入っている。
それが気体に変わることで燃える。
缶が冷えると気体に変わりにくくなって、火が細くなる。
夏はほとんど気にならない。
効いてくるのは、秋の朝晩からだ。
CB缶の中身は、ブタンと呼ばれるガスが主役になっている。
これがだいたい氷点あたりで気化しなくなる。
朝、外に置いておいた缶で湯を沸かそうとして、いつまでも沸かないのはこれだ。
OD缶には、寒い場所で使うことを見込んだ配合のものがある。
気化しはじめる温度が低いガスを混ぜてあるので、冷えても粘る。
冬にテントの中で使うなら、こちらのほうが素直だ。
ただ、CB缶にも寒い時期向けの配合の製品はある。
缶をポケットで温めてから使う、という手もある。
冬に一泊するかどうか、そこで決めればいい。
鍋の安定は、形のほうで決まる
CB缶のバーナーは、缶が横に伸びる形が多い。
背が低くて、ゴトクも広めに取ってある。
大きめの鍋やフライパンを載せても、ぐらつきにくい。
家族分をまとめて作るなら、これがありがたい。
OD缶のシングルバーナーは、缶の上に載る形だ。
小さくて軽い。
畳めば手のひらに収まるものもある。
そのかわり背が高くなるので、重い鍋を載せると重心が上がる。
湯を沸かして注ぐくらいなら快適で、鍋をかき混ぜる作業には向かない。
焚き火で鍋をやると火加減が読めないという話を前に書いたけれど、バーナーは火加減が読める道具だ。
読めるぶん、載せるものとの相性が出る。
火力の数字は、いちばん良い日の数字だ
カタログには火力が書いてある。
キロカロリー毎時とか、ワットとか。
あの数字は、缶が十分に温まっていて、風がない状態で出る値だ。
実際に湯が沸くまでの時間を決めているのは、缶の温度と風の二つだと思う。
特に風だ。
風のある日は、火が横へ流れて鍋の底に当たらない。
数字の大きいバーナーに買い替えるより、風よけを一枚立てるほうが早い。
値段も一桁違う。
ついでに言うと、風よけを近づけすぎるのは良くない。
缶に熱がこもる。
少し離して、風の来る側だけ囲うくらいでちょうどいい。
で、どう選ぶか
年に数回、夏を中心に、家族や仲間の分をまとめて作るのなら、CB缶でいい。
缶が安くてどこでも買えるという一点が、ほかの差を全部埋めてしまう。
僕が人に聞かれたときに最初に勧めるのもこちらだ。
荷物を小さくしたい、寒い時期にも使う、歩いて運ぶ。
このどれかが当てはまるなら、OD缶を選ぶ理由がある。
小ささと寒さへの強さは、CB缶ではどうにもならない部分だからだ。
両方持っている人も多い。
僕もそうなった。
ただ、最初の一台からそうする必要はないと思う。
一台で足りない場面に出会ってから、足せばいい。
ちなみに、車から電気を引く話を前に書いたけれど、電気で湯を沸かすのはかなり贅沢な使い方になる。
火は火に任せたほうが、電気は電気で長く持つ。
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