エンジンを切ったあと、電気をどこから引くか。一泊なら要らないものも多かった
ポータブル電源を買う前に、一晩で何ワット使うのかを数えてみた。
思っていたより、ずっと少なかった。
夏の車中泊でいちばん困るのは暑さで、暑さをどうにかしようとすると電気の話になる。
扇風機を回したい。スマホを充電したい。手元を照らしたい。
それでポータブル電源を調べはじめて、値段を見て手が止まった。
止まったついでに、一晩で本当は何ワット使うのかを数えてみた。
これが、買い方を変えるきっかけになった。
まず、一晩ぶんを数えてみる
電気の量はワットアワー(Wh)で数える。
何ワットのものを何時間使うか、を掛けた数字だ。
五ワットの扇風機を八時間まわせば四十Wh、という具合。
うちの一泊ぶんを並べるとこうなった。
小さい扇風機、五ワットで八時間=四十Wh。
スマホ二台の充電=合わせて三十Whくらい。
LEDのランタン、二時間で数Wh。
全部足して、だいたい八十Whから百Wh。
ここで気づいた。
手持ちの一万mAhのモバイルバッテリーが、およそ三十七Wh(三・七ボルト換算)。
つまり一泊ぶんは、あの手のものが二つか三つで足りてしまう量だった。
ポータブル電源の五百Whという数字は、僕の使い方だと五泊ぶんある。
数えるまで、まったく見当がついていなかった。
「足りなかったら困る」でいちばん大きいものを選びかけていた。
一泊なら、シガーソケットで足りた
走っているあいだに充電してしまえば、止まってから使う電気はそれほど要らない。
シガーソケットに挿すUSBの充電器が一つあれば、移動中にスマホもモバイルバッテリーも満タンになる。
注意するのは二つ。
ひとつは、エンジンを切ったあとの扱い。
車によって、キーを抜くと切れるソケットと、ずっと通電しているソケットがある。
通電したまま寝ているあいだに使い続けると、朝エンジンがかからないことがある。
自分の車がどちらなのかは、一度確かめておいたほうがいい。
もうひとつは、出せる量。
ソケットからは基本的に十二ボルトの直流しか出てこないので、コンセントに挿す家電はそのままでは動かない。
USBで充電できるものだけなら、これで済む。
百ボルトが要るときだけ、インバーター
コンセント形のものをどうしても使いたい日は、インバーターという変換器を挟む。
十二ボルトの直流を、家と同じ百ボルトの交流に変える箱だ。
選ぶときに見るのは波の形と出力。
安いものは矩形波や修正正弦波と書いてあって、扇風機や充電器くらいなら動くが、モーターや精密なものだと相性が出る。
正弦波と書いてあるものは家のコンセントに近い波で、そのぶん値段も上がる。
出力の数字も要る。
三百ワットのインバーターに、消費電力が四百ワットの家電はつながらない。
ここもWhではなくW(同時に使う量)のほうを見る。
そしてこれも、エンジンを止めたまま長く使うものではない。
車のバッテリーはエンジンをかけるためのもので、使い切ると走って帰れなくなる。
連泊、あるいは切ったまま使うならポータブル電源
車のバッテリーとは別に電気を持ち歩きたい、となってはじめてポータブル電源の出番になる。
見る数字は二つある。
ひとつは容量(Wh)。
先に数えた一泊ぶんの数字に、泊まる日数を掛ければだいたい足りる。
電気毛布のように何十ワットも食うものを一晩使うなら、そこだけ別に足す。
もうひとつは定格出力(W)。
僕が最初に見落としていたのがこっちで、容量ばかり比べていた。
容量が大きくても定格が足りなければ、消費電力の大きい家電は動かない。
電池の種類も見ておきたい。
リン酸鉄と書いてあるものは寿命が長く、熱にも比較的強い。
この話は前に詳しく書いた。
夏は夏で、炎天下に置くと本体が自分を守るために止まることがある。これもそのときの話を。
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結局、順番が逆だった
僕は「まず大きい電源を買って、それで何ができるか考える」という順で調べはじめた。
そうではなくて、使うものを先に並べて、足し算をして、それから容量を決めるほうが早かった。
一泊だけならソケットとモバイルバッテリーで足りる。
コンセント形のものが一つだけ要るならインバーター。
連泊するか、エンジンを切ったまま長く使うならポータブル電源。
この三段で、たいていのところに落ち着くと思う。
扇風機そのものの選び方は別の回に書いた。
あのときは風を作るほうの話で、今回はその風をどこから出すかの話だった。