炊事場まで、一泊で九回も歩いていた。水を運ぶのをやめたら夏の設営が変わった

遠いのは知っていたけれど、回数までは数えたことがなかった。
道具をひとつ置いただけで、往復のほとんどが消えた。

夏のキャンプ場で、いちばん体力を持っていかれるのは設営でも撤収でもなかった。
炊事場との往復だ。

区画から歩いて二、三分。
距離としては大したことがない。
ただ、これを日中の暑い時間に何度も繰り返すと、着いたばかりなのにもう疲れている。

数えてみたら、一泊で九回だった

気になったので、一泊のあいだに何回歩いたかを数えてみた。

着いてすぐ手を洗いに一回。
野菜を洗いに一回。
鍋に水を汲みに一回。
飲み水を切らして一回。
食後の洗い物で二回(運んで、戻って、また取りに行った)。
火の始末用に一回。
翌朝のコーヒーで一回。
撤収前の片づけで一回。

合わせて九回。
往復だから、実際には十八回ぶん歩いている。
一回三分として、一時間近くを水のために使っていた計算になる。

しかも荷物を持って歩くのはたいてい炎天下だ。
疲れているのは設営のせいだと思い込んでいたけれど、犯人はこっちだったらしい。

タンクを置いたら、九回が二回になった

次から、水を貯めておく容器をひとつ持っていくようにした。
着いたときにまとめて汲んでおいて、以後はそこから使う。

結果、炊事場に行くのは「最初に汲むとき」と「洗い物のとき」の二回だけになった。
手を洗う、野菜を洗う、鍋に足す、火の始末をする。
この四つがぜんぶ自分のサイトの中で完結する。

効いたのは体力よりも、気持ちのほうだった。
ちょっと手を洗いたいだけで往復するのが面倒で、結局洗わずに済ませていたことが何度もある。
水がそこにあるだけで、そういう小さな我慢がなくなった。

容量は、大きければいいわけではなかった

最初に買ったのは15Lのものだった。
たっぷり入るほうが往復が減ると考えたからだ。

これが失敗だった。
水は1Lで1kgある。
15L入れれば15kgで、満タンにすると持ち上げるのがひと仕事になる。
結局いつも半分くらいしか入れず、容量を使いきったことがない。

いま思っているのは、大きいものをひとつより、10Lくらいを二つのほうが扱いやすいということだ。
一人でも運べるし、飲む用と洗う用で分けられる。
片方が空になっても、もう片方が残っている安心感もある。

二人以上で行くなら、二個組で売られているものを選んでおくと迷わない。

コックが付いているかどうかで、別物になる

ここがいちばん差が出た。

コックのない容器は、使うたびに傾けて注ぐことになる。
片手で持って、片手で受ける。
つまり両手がふさがる。
手を洗うのに両手がふさがっていたら、そもそも洗えない。

コックが付いていれば、ひねるだけで水が出る。
両手を出して洗える。歯も磨ける。
子どもでも自分で使える。

安いものだと差は数百円だ。
それでできることが変わるので、ここは付いているものを選んでいる。

夏だけ、気をつけていること

ひとつは置き場所だ。
地面に直接置くと、コックの下にコップが入らない。
ラックやテーブルの上、あるいは荷室の縁など、少し高いところに置き場所を決めておく。
ここを決めておかないと、結局使わなくなる。

もうひとつは日なたを避けること。
夏場に水を入れたまま日に当てておくと、中の温度が上がる。
汲んでから時間が経った水を、そのまま飲むのは避けている。
飲む用はペットボトルか、汲みたてのぶんだけ。
タンクの水は洗いものと手洗いに回す、と決めてしまうと悩まなくて済む。

帰ったら中を洗って、逆さにして乾かす。
濡れたまましまうと次に開けたときが悲惨なのは、他の道具と同じだった。
このあたりは乾かす順番を決めた回とまったく同じ話になる。

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道具を足すと荷物が増える。
それでもこれを持っていくのは、荷物が増えるかわりに、動く回数がはっきり減るからだ。

キャンプの道具は、楽しくするためのものと、面倒を減らすためのものに分かれると思っている。
水のタンクは完全に後者で、たぶんそれでいい。

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