濡れたまま積んで帰ると車が臭う|拭く・吊る・広げるの順番で乾かす
乾かないのではなく、水を落とさないまま吊っていることが多い。
拭く・吊る・広げるの順番と、そのために役立つ三つの道具の話。
キャンプから帰って何日かして車のドアを開けると、妙な匂いがすることがある。
荷室の隅で、丸めたタオルがまだ湿っていたりする。
夏はこれが起きやすい。
朝の結露、汗、洗い物のしずく、にわか雨。
そのどれも量としては大したことがないのに、閉じた車の中では一週間残る。
道具を増やす前に、順番を決めるのがいちばん効くと思う。
乾かないのではなく、水を落としていない
よくある失敗はこれだ。
濡れたものをそのまま吊って、風に当てて何とかしようとする。
水は、風で飛ばすより先に拭き取ったほうが速い。
当たり前のことだけれど、現地で急いでいるとこれを飛ばす。
拭くときに困るのが、普通のタオルだと一枚でだめになることだ。
厚いタオルは吸うけれど、吸ったあとが重くて絞れない。
絞れないタオルは、それ自体が湿った荷物になる。
薄くて絞れるものに変えれば、この問題は消える。
いわゆる速乾のタオルで、水泳やスポーツ用に売られているものだ。
吸って絞って、また吸える。
一枚で、テーブルの水気からクーラーボックスの内側まで回せる。
注意点もある。
あの手のタオルは薄いので、体を拭く用途だと物足りない。
道具を拭く用と体を拭く用を分けて、道具用にだけ薄いものを使うといい。
吊る場所を、車の中に作っておく
拭いたあとは吊る。
ここで場所がないと、結局は畳んで積むことになる。
車の中の天井近くには、たいてい掴まるための取っ手が付いている。
その取っ手のあいだにロープを張ると、それだけで物干しになる。
ロープは、クリップが等間隔で付いているものが扱いやすい。
洗濯ばさみを別に持つ必要がないし、走っているあいだに端に寄って固まらない。
長さは二メートル前後で足りる。
ロープに直接掛けられないものには、折りたたむハンガーを使う。
服やレインウェアは、ロープに掛けると重なった部分だけ乾かない。
肩の形が出るものに掛けたほうが、間に空気が通る。
走っているあいだは、窓を少し開けておく。
エアコンを内気循環にしていると、車の中の湿気をぐるぐる回すだけになる。
外の空気を入れる側に切り替えるだけで、着くまでの二時間が乾燥の時間に変わる。
車の中では無理なものを、切り分ける
全部を車の中で乾かそうとしないのが大事だ。
テントやタープは、車の中では乾かない。
面積が大きすぎて、吊っても重なってしまう。
これは持ち帰って、家で広げるものだと割り切ったほうがいい。
畳んだまま二日置くと、内側に点々と黒いものが出る。
あれは一度出ると落ちない。
帰った日に無理でも、翌日には広げる。
ベランダに掛けられなければ、部屋の中で椅子の背に広げるだけでも違う。
ついでに言うと、雨がしみるようになったテントは乾かし方の問題ではないことが多い。
表面の汚れで水が玉にならなくなっているほうが原因として多くて、その話はテントの撥水を戻す回にまとめてある。
寝袋も車の中では乾かない。
中の綿や羽毛が湿ったままだと、次に使うときの暖かさが落ちる。
これも家で、袋から出して広げる。
匂いの正体は、濡れと温度と密閉
夏の車が独特の匂いになるのは、三つが揃うからだと思っている。
水気があること、車内が高い温度になること、そして閉じていること。
このうち温度は、駐めている場所を選べないと下げられない。
水気は拭けば減る。
いちばん簡単に外せるのは、閉じていることだった。
だから、濡れたものをゴミ袋に入れて口を縛るのは避けたい。
あれは持ち帰るには便利だけれど、そのまま忘れると中でずっと蒸れている。
網の袋か、口を開けたままにできる入れ物がいい。
降ろすときの順番も決めておくといい。
湿っているものを先に降ろして、乾いているものは翌日でいい。
逆にすると、たいてい湿ったほうが残る。
足す道具は三つで、やることは拭く、吊る、広げるの順番を守るだけだ。
それでも、次に車のドアを開けたときの空気が変わると思う。
片づけは帰ってからの仕事に見えて、実際には現地でもう始まっている。
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