テントに雨がしみるようになった。買い替える前に洗ってみたら戻った
水をはじかなくなる原因は、たいてい生地ではなく汚れのほうにある。
洗って塗り直すまでで、半日と数千円だった。
三年目のテントで雨に降られて、天井の内側が点々と濡れているのに気づいた。
去年までは平気だったのに、と思いながら朝を待った。
買い替えるつもりで調べはじめて、順番が逆だったことに気づく。
水がしみていたのは生地が終わったからではなくて、表面が汚れていたからだった。
雨がしみる理由は、二つに分かれる
テントの生地は、水をはじく層と、水を通さない層の二階建てでできている。
表面の水をはじく加工は、雨粒を玉にして転がす役目。
裏側のコーティングは、そもそも水を通さないための膜。
このうち先に駄目になるのは、ほとんどの場合が表面のほうだ。
皮脂、砂ぼこり、焚き火の煙の油。
こういうものが表面につくと、雨粒が玉にならずに広がって、生地に貼りつくように残る。
貼りついた水は、縫い目や織り目からじわじわ入ってくる。
僕が寿命だと思い込んでいたものの正体は、これだった。
まず洗う。ここを飛ばすと意味がない
撥水スプレーをいきなり吹きたくなるけれど(僕は実際にやった)、汚れの上から塗っても乗らない。
先に落とすのが順番として正しい。
ぬるま湯に中性の洗剤を薄く溶いて、スポンジで撫でるように洗う。
ごしごし擦ると、まだ残っている加工まで削り落としてしまう。
洗濯機に放り込むのは避けたい。回転で生地とコーティングが傷む。
すすぎは、洗剤が残らないところまでしっかり。
洗剤が残っていると、それ自体が水を呼んでしまう。
そして完全に乾かす。ここで急ぐと、次はカビの相談になる。
塗り方は二通りある
スプレーは、乾いた生地に外側から吹くタイプ。
気になるところだけ直したいとき、出発前にひと足ししたいときに向く。
もうひとつが、水に溶かして浸け込むタイプ。
生地の全体に均一に行き渡るので、フライシート一枚をまとめて戻したいときに強い。
手間はかかるけれど、ムラが出にくいのはこちらだ。
どちらも、塗ったあとに軽く熱を入れると定着が良くなる製品がある。
やり方は容器の裏に書いてあるので、そこだけは始める前に読んでおいたほうがいい。
これで戻らないなら、そこが本当の寿命
洗って塗り直しても駄目なときは、裏側のコーティングが傷んでいる。
触るとべたべたする、白い粉が浮く、めくれてくる。
この症状が出たら、表面の話では直らない。
縫い目のテープが浮いているだけなら、補修用のテープで延命できる。
生地の裏が全面べたついているなら、買い替えを考えていい段階だと思う。
うちのは洗って塗り直したら戻った。
かかったのは半日と、数千円ぶんの液体だけだ。
道具を長く使うこつは、たぶん買う前より買ったあとにある。
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