アウトドアチェアは、座り心地より「立ちやすさ」で選ぶようになった
低くて深い椅子は、座った瞬間だけ最高だった。
座面の高さ・肘掛け・重さの三つで見れば、たぶん失敗しない。
はじめて買ったキャンプ用の椅子は、うんと低いタイプだった。
座った瞬間は本当に気持ちがいい。
背中が沈んで、そのまま空を見上げられる。
困ったのは、そのあとだった。
湯が沸いた、薪を足す、車に何か取りに行く。
一晩で十回以上は立つのに、そのたびに「よいしょ」と声が出る。
いまは選ぶ順番を変えて、まず立ちやすさから見ている。
1. 座面の高さは、膝下の長さに近いほど楽
低いタイプは、座面が地面から二十五センチから三十センチくらいのものが多い。
ミドルやハイと呼ばれるものだと、三十五センチから四十五センチくらいある。
立ち上がるときの負担は、この十センチほどの差で大きく変わる。
足の裏がしっかり地面につく高さだと、腰ではなく脚で立てるからだ。
目安は、座ったときに膝がお尻より高くならないこと。
膝のほうが高くなる椅子は、座り心地はいいけれど立つのはつらい。
商品ページには「座面高」として書いてあることが多い。
見当たらないときは、畳んだときの全長ではなく、使用時サイズの高さのほうを見る。
2. 肘掛けがあるかどうかで、体の使い方が変わる
肘掛けがあると、腕で押して立てる。
脚だけで立ち上がるより、はっきり楽だ。
無いタイプは軽くて畳むと細くなるので、荷物を減らしたい日には向いている。
ここは体格と行き先で決めていい。
僕は、運転で腰が疲れた日ほど肘掛けのあるほうに手が伸びる。
ただし肘掛けの高さが体に合っていないと、かえって邪魔になる。
近くの店に置いてあるなら、一度座ってみるのがいちばん早い。
3. 重さと畳んだ大きさは、持ち出す回数に効く
いい椅子でも、重ければ結局置いていく。
家に置きっぱなしの椅子ほど、もったいないものはない。
感覚的な目安として、一キロ台なら「とりあえず積んでおく」ができる。
三キロを超えると、行き先を選ぶようになる。
座り心地はだいたい重さに比例するので、そこは割り切りになる。
耐荷重も見ておきたい。
百キロ以上と書いてあるものは、脚まわりの作りがしっかりしていることが多い。
体重に余裕があるかどうかというより、へたりにくさの目安として見ている。
低い椅子が悪いわけではない
誤解のないように書いておくと、低いタイプにも良さははっきりある。
焚き火に顔が近くなるし、目線が下がると景色の見え方まで変わる。
風が強い日に安定するのも、低いほうだ。
いまは低いのと高いのを一脚ずつ積んでいる。
火を眺めて動かない夜は低いほうに座り、料理をする日は高いほうに座る。
一脚で全部を賄おうとしないほうが、結果として安く済んだ。
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椅子は、キャンプ道具のなかでもいちばん「座ってみないと分からない」ものだと思う。
それでも座面の高さ・肘掛け・重さの三つを先に決めておけば、候補はかなり絞れる。
迷っている人は、いま持っている椅子の座面高を一度測ってみるといい。
自分が何センチなら立ちやすいのかが分かると、次の一脚で失敗しなくなる。


