膨らんだモバイルバッテリーの捨て方|回収ボックスには入れられない
車のダッシュボードに置きっぱなしにしたバッテリーは、夏を越すと厚くなっていることがある。
捨てるだけのつもりが、回収ボックスの前で止まる。
車のダッシュボードの上に、モバイルバッテリーを置きっぱなしにしている人は少なくないと思う。
夏を越して久しぶりに手に取ったら、なんだか厚い。
机に置くと、かたかた揺れる。
背中がふくらんで、平らではなくなっている。
寿命だろう、と考える。
近所の家電量販店に電池の回収ボックスがあるのは知っているから、そこへ入れて終わりにしよう、と。
ただ、その予定は箱の前で崩れる。
膨らんだ電池は、あの回収ボックスに入れてはいけない
店に置いてある小形充電式電池の回収ボックスは、JBRCという団体の仕組みで動いている。
そのJBRCが、入れていい電池の条件をはっきり書いている。
「破損、水濡れや膨張等の異常のある電池や、外装なしのラミネートタイプの電池ではないこと」。
膨張、と書いてある。
膨らんだバッテリーは、まさにこれに当たる。
条件はほかに二つある。
JBRCの会員企業が作ったものであること。
そして、プラス極とマイナス極を絶縁テープでふさいであること。
会員企業かどうかは、手元の一個を眺めていても分からないことが多い。
通販で買った、名前を聞いたことのないメーカーのものだと、まず判断がつかない。
なぜ膨らむのか。心当たりは置き場所にある
リチウムイオン電池がふくらむのは、中でガスが出ているからだ。
中の液が分解して、行き場のないガスが袋を押している。
押されて膨らんでいる時点で、内部はもう元に戻らない。
ガスが出やすくなる条件は、だいたい決まっている。
高い温度、過充電、それと年数。
車に置きっぱなしにすると、一つ目に当てはまりやすい。
夏の車の中は、外の気温とは別の世界になる。
ダッシュボードの上は、その中でもいちばん焼ける場所だ。
そこに何か月も一個の電池を置いておけば、傷むのは当たり前だと思う。
炎天下でポータブル電源が充電をやめる理由は炎天下のポータブル電源が充電をやめるのは、壊れたのではなく自分を守っているからに書いた。
あれは守る仕組みが働く例だった。
モバイルバッテリーは、そこまで賢くないものも多い。
黙って弱っていって、ある日ふくらむ。
で、どこへ持っていけばいいのか
JBRCのページには、膨らんだものをどうすればいいかまでは書かれていない。
「これは入れないでください」で止まっている。
だから、住んでいる市町村の清掃の窓口に聞くのがいちばん確実になる。
問い合わせる前に、手元で確かめておくと話が早い項目は三つある。
メーカーは分かるか。
いま熱や煙は出ていないか。
買った店は分かるか。
答えによって行き先が変わる。
メーカーがはっきりしていれば、そのメーカーか買った販売店にまず問い合わせる。
分からなければ、自治体の指示に従う。
ここは全国一律ではないので、自分の市町村に聞くのがいちばん早い。
やってはいけないことのほうは、どこで聞いても同じだと思う。
穴を開けない。
分解しない。
ガスを抜こうとしない。
普通のごみ袋に混ぜない。
最後の一つが、いちばん軽く見られている気がする。
国の資料を読むと、リチウム蓄電池が原因の火災事故が起きた品目として自治体が挙げた数で、モバイルバッテリーは171市区町村と最も多かった。
次が加熱式たばこの115、その次がコードレス掃除機の73。
袋の中で潰れた一個が、収集車やごみ処理場で燃えている。
引き取ってもらうまで、家のどこに置いておくか
窓口に連絡してから片づくまで、数日あいだが空くことがある。
その数日をどこに置いておくか、考えておきたい。
やることは三つだ。
端子に絶縁テープを貼る。
燃えるもののない場所に置く。
直射日光と暖房から離す。
金属の缶やバケツに入れておくといい、と書いている記事をいくつか見かける。
理屈は分かる。
玄関の外のコンクリートの上など、燃え移るものがない場所に置くのがよさそうだ。
数日だけの話なので、大げさなくらいでちょうどいいと思う。
水に浸けるのは反対に危ない。
これは念のため書いておく。
まだ膨らんでいない一個を、どうするか
JBRCがモバイルバッテリーの回収を始めたのは2017年の4月で、いまは会員企業が60社を超えている。
協力店だけでなく、全国730弱の自治体でも一般のごみとして受け付けている。
受け皿は、思っていたよりある。
2026年の4月には、法律のほうも動いた。
改正された資源有効利用促進法が施行されて、発火の危険が高い品目を「指定再資源化製品」として指定し、作った会社や輸入して売った会社に自主回収と再資源化を求める仕組みが動き出している。
モバイルバッテリーは、その議論のまん中にいる品目だ。
ただ、それは膨らんだあとの道をなめらかにしてくれるだけだ。
膨らませないほうが、どう考えても楽だと思う。
やることは二つ。
車に置きっぱなしにしない。
使う日に持って出て、帰ったら家に戻す。
それと、出すときは使い切ってから出す。
国の資料にも、放電させる方法はないので使い切る必要がある、と書いてあった。
しまい方でだめにするのはポータブル電源も同じで、そっちはポータブル電源の保管|しばらく使わないと電源が入らなくなる。しまい方に決まりがあるに書いた。
膨らんだ一個の後始末は、手順が分かっていれば大した手間ではない。
窓口に一本連絡して、テープを貼って、燃え移らない場所で数日待つだけだ。
面倒なのは、回収ボックスの前まで持っていって、そこで初めて入れられないと知るほうだと思う。
出典
- 一般社団法人JBRC「小形充電式電池のリサイクル」(回収できる電池の条件)
- 経済産業省GXグループ資源循環経済課「資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律について」(令和7年8月・PDF)
※ 数値と条件は2026年9月4日時点で各ページを確認したものです。膨らんだ電池の出し方は自治体によって異なるので、最後は自分の市町村の案内に従ってください。
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