金利を上げた年に、利払費は増えない

政策金利を1.00%から3.5%に固定してみた。
国債の利払費のグラフが、ほとんど動かなかった。

日本経済シミュレーターをつくる第4回 / 全9回目次

金利を上げると国の利払いが増える。
そう言われているし、私もそう思っていた。

試しに日銀の自動運転を切って、政策金利を3.5%に固定した。
長期金利は上がった。円高になった。株価は下がった。設備投資も減った。
どれも思ったとおりだ。

利払費だけが、ほとんど動かなかった。
最初の数年で0.5兆円ほど増えて、それだけだった。

バグではなかった

実装を見に行くと、こう書いてあった。

平均利率 = 前年の平均利率 × (1 − 借換率) + 長期金利 × 借換率
利払費 = 前年の債務残高 × 平均利率

借換率は11%にしてある。
国債の平均償還年限がおよそ9年なので、毎年その1/9ずつしか入れ替わらない。

2026年度の時点で、国と地方が抱えている借金全体にかかっている平均利率は0.63%だ。
市場の10年金利が2.5%なのに、0.63%しか払っていない。
ゼロ金利のころに出した債券が、まだ大量に残っているからだ。

だから金利を3.5%に上げても、その年に払う利息が乗るのは全体の11%だけになる。
0.63%が翌年0.95%に、その次が1.23%に。
じわじわとしか動かない。

10年かけて、効いてくる

24年ぶんを回すと、景色が変わる。

現状維持のシナリオでも、平均利率は0.63%から2.5%あたりまで上がっていく。
債務が対GDP比250%あるので、利払費だけでGDPの6%を超える。
2026年度は1.5%だから、4倍だ。

金額で言うと、2050年度の利払費は96兆円になっていた。
同じ年の消費税収が34兆円、社会保険料収入が167兆円。
そういう並びの中に、利息だけで96兆円が入ってくる。

このモデルでいちばん劇的に効くのはここだと思う。
時限装置という言い方がいちばん近い。

議論が噛み合わない理由が、少し分かった

金利を上げても財政は当面平気だ、という主張は、短い時間で見れば正しい。
金利を上げたら財政が破綻する、という主張は、長い時間で見れば正しい。
どちらも同じ式から出てくる。

違うのは、見ている年数だけだ。

だからシミュレーターには「見る年度」のスライダーを付けた。
2026年度から2050年度まで動かすと、同じ政策の評価が途中でひっくり返る。
ひっくり返る瞬間を自分の手で見つけてもらうのが、たぶんこの道具のいちばん良い使い方だと思っている。

スタンプラリーに挑戦する 行った場所・気になる場所は、現地チェックインでスタンプに残せます。 みんなのコースを見てみる 会員が作ったスポット巡りのコースを都道府県から探せます。自分だけのコースも作れます。 運営者の個人noteも書いています AI活用やサイト運営で気づいたことを、もう少し個人の視点で掘り下げています。

※運営者が個人で書いているnoteです。

技術ブログ一覧へ戻る