年収を上げると手取りが減る区間を、グラフにしてみた
働き損という言葉はよく聞くが、どこでどれだけ損なのかは誰も具体的に言わない。
年収を2万円ずつ動かして、44点ぶん計算してみた。
「130万円を超えると損だ」という話は、扶養の範囲で働いている人ならたいてい聞いたことがあると思う。
ただ、いくら損なのかを金額で言える人にはあまり会わない。私も言えなかった。
手取りの計算エンジンはもうできている。年収を変えて何度も呼べば、カーブが描けるはずだ。
単に年収を変えるだけでは足りなかった
最初は素直に、年収だけを変えて計算を繰り返した。
すると当然ながら、きれいな右上がりの直線になった。壁がどこにも出てこない。
当たり前だった。年収が変われば加入する制度も変わる。そこを固定したままでは壁が生まれない。
月額賃金8.8万円(年収106万円相当)を超えたら社会保険に加入する。
配偶者の扶養に入っている人は、年収130万円で被扶養者から外れて国民健康保険と国民年金に切り替わる。
この判定を各点ごとにやり直すようにしたら、カーブがはっきり凹んだ。
106万円で13万円落ちる
出てきた数字がこれだった。
- 年収104万円 → 手取り 約104万円
- 年収106万円 → 手取り 約94万円
2万円多く働いて、手取りが10万円減る。
元の水準に戻るには年収125万円あたりまで働かなければならない。20万円ぶん働いて、ようやく振り出しに戻る。
グラフには、前の点より手取りが下がった地点に赤い点を打つようにした。
この点が並ぶ区間が「働き損ゾーン」で、その幅と落差を金額で書き添えている。
ギザギザは、バグではなかった
カーブを描いてみて最初に疑ったのは、線が細かく波打っていることだった。
2万円刻みで計算しているのに、傾きが90%になったり65%になったりを繰り返す。
計算式を疑ってしばらく眺めていたが、原因は標準報酬月額の等級だった。
等級が変わらない区間では保険料が据え置きなので、増えた分がまるごと手取りになる。
等級が1つ上がった瞬間に保険料が跳ねて、その年だけ手取りの伸びが鈍る。
実際にそういう挙動をしているのだから、ならしてはいけない。
このギザギザこそが、給与明細を見て「あれ、去年より手取りが増えてない気がする」と感じる正体だった。
そのまま出すことにした。
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