節税の目安を並べるのをやめて、全部計算し直すことにした

「iDeCoで年◯万円お得」と書きたかったが、その◯に入る数字が人によって違う。
目安を出すのをあきらめて、施策ごとに丸ごと再計算する設計に変えた。

手取りを出すところまではできた。次は「どうすれば増やせるか」を出したい。
iDeCo、ふるさと納税、青色申告。このあたりを並べて、効果額を添えれば形にはなる。

ところが効果額を書こうとして手が止まった。
iDeCoに月2.3万円かけたときの節税額は、課税所得が195万円以下の人なら年4万円ほど、695万円を超える人なら年9万円を超える。
税率が違うのだから当然だが、「◯万円お得」と1つの数字で書くことができない。

施策ごとにプロファイルを書き換えて、もう一度計算する

結局こうした。施策を「入力を書き換える関数」として定義して、書き換えたあとの入力で計算エンジンを丸ごと通し直す。
元の結果との差が、その人にとっての効果額になる。

iDeCoなら掛金を上限まで入れて再計算。青色申告なら申告区分をe-Taxに変えて再計算。
節税額を推定する式は一行も書いていない。ただ計算をもう一度回しているだけだ。

この作りにしてよかったのは、副作用まで自動で出るところだった。
配当を総合課税で申告すると税は下がるが、合計所得金額が増えるので国民健康保険料が上がることがある。
推定式を書いていたら、この相殺を織り込み忘れていたと思う。

「得」をどう定義するかで、答えが変わった

次に詰まったのが評価軸だった。

ふるさと納税を上限まで使うと、税は確かに減る。でも寄附額も出ていく。差し引きすると手元の現金は2,000円減る。
これを「損」と表示していいのか。返礼品が届くのに。

iDeCoも同じ問題がある。掛金は出ていくが、それは自分の年金資産として残る。消えたわけではない。

そこで施策ごとに「出ていったお金が自分に戻ってくる割合」を持たせることにした。
iDeCoと小規模企業共済は掛金がそのまま資産になるので1.0。ふるさと納税は返礼品の還元率でおよそ0.3。

実質的な得は「税の軽減額 + 戻ってくる額 − 出ていく額」で計算する。
この式にすると、iDeCoは節税額がそのまま得になり、ふるさと納税は「返礼品の価値 − 2,000円」に落ち着いた。
感覚と一致した。

生命保険料控除が、自動的にマイナス評価になった

面白かったのは、この式を入れた瞬間に生命保険料控除の評価がマイナスに転んだことだ。

控除の枠を使い切るには年24万円の保険料を払う必要がある。それで軽くなる税は1万3千円ほど。
保険料は保障と引き換えに消えるので戻り率はゼロ。差し引き22万円のマイナスになる。

「控除があるから保険に入ろう」という話をときどき聞くけれど、控除だけを目的にするなら明確に損だ。
それが式から自然に出てきた。
ランキングの下のほうに「効果が出ない・逆効果になる選択肢」としてたたんで表示することにした。隠すよりは、理由つきで見せたほうがいい。

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