イワシの手開きのやり方|包丁がなくても、指先だけで骨まで取れた
洗い場が混んでいて、包丁を洗うところまで辿り着けなかった。
小さいイワシなら、道具がなくても指だけで開けられることを思い出した日。
道の駅でイワシを一山買った日、洗い場が三組待ちだった。
包丁を洗ってからでないと魚には触れない、と思い込んでいたので、しばらく順番を待つつもりでいた。
隣で手を動かしていたおじさんは、まな板も包丁も使わずに、素手でイワシを次々と開いていた。
その手つきに見覚えがあった。
仕事でコハダやイワシを仕込むとき、店でも包丁は使っていなかったからだ。
手開きができるのは、骨が柔らかい魚だけ
イワシやコハダ、小さめのアジのように、脂がのって身が薄く、中骨が細い魚は手で開ける。
骨格がしっかりして中骨が太い魚――大きめのアジやサバ、ブリのような青物になると、指の力だけでは骨から身を剥がせない。
包丁が要るかどうかは、魚の大きさより中骨の太さで決まる。
店では大きい魚は必ず包丁で三枚におろしていた。
小さい魚だけ手で開いていたのは楽をするためではなく、そのほうが身を傷めずに仕上がるからだった。
頭を落として、腹を開いて、内臓を洗う
まずエラのつけ根に親指を入れ、頭を折るようにして落とす。
そのまま腹に向かって親指を滑らせると、腹側の身が裂けて内臓ごと外に出てくる。
内臓を抜くところは、以前書いた現地でのひと手間(こちら)と同じで、魚は身より先に腹から傷む。
抜いたあとは流水で血合いを洗い流し、指先か歯ブラシで背骨のきわまでこすっておく。
親指を背骨に添わせて、尾まで一気に
洗い終えたら開いた身の中央に親指の腹を当て、背骨に沿わせるようにして尾のほうへ滑らせる。
一気にではなく、骨の際を指先で追いかける感覚で進めると、身を割らずに骨だけが浮いてくる。
尾の近くまで来たら折り返し、頭側に残った骨も同じように外す。
背骨と小骨が一枚の櫛のように身から離れれば、開き終わりだ。
最初の数尾は身をぼろぼろにした。
力を入れすぎていたからで、握るのではなく指の腹で骨をなぞる感覚に変えたら、身が崩れなくなった。
現場では、まな板より先に流水を探す
キャンプ場でやるなら、まな板を出す前に洗い場の位置を確認しておく。
手開きは水を何度も使うので、洗い場から離れた場所で始めると、汚れた手のまま何度も往復することになる。
内臓とアラは持ち帰るか、指定された生ゴミ置き場にすぐ捨てる。
出しっぱなしにすると獣を呼ぶので、その場に放置しない。
開いたら、塩をして焼くのが一番早い
手開きしたイワシは骨がほとんど残らないので、そのまま塩を振って網で焼くだけで食べられる。
生のまま刺身にする場合は、アニサキスの確認(こちら)だけは省かない。
加熱するなら気にしなくていい話だが、生で出すかどうかは魚を開いた直後に決めることにしている。
包丁を持ってこなかった日でも、小さい魚なら手が道具になる。
調理まわりの道具はこちらにもまとめている。