ランタンの電池が液漏れする原因と白い粉の対処|入れっぱなしがいちばん危ない
夏じゅう使ったランタンを、電池を入れたまま箱に戻すと起きやすい。
次に開けたとき、端子のまわりが白い粉で固まっていることがある。
夏のあいだ毎晩のように点けていたランタンを、電池を入れたまま箱に戻す。
片づけのときは点かなくてもいいので、つい抜くのを忘れる。
次のシーズンに箱を開けると、電池ボックスの中が白くなっていることがある。
粉のようなものが端子のまわりに固まっていたら、それは液漏れだ。
結論から書くと、いちばん効くのは「使い終わったら抜く」だけだ。
それでも毎年やってしまいがちなので、なぜ入れっぱなしがまずいのかと、やってしまったときにどうするかを整理しておく。
電池がいちばん傷むのは、使っている最中ではない
アルカリ乾電池は、放電が進んでいくと内部でガスが出る。
圧力が上がりすぎると壊れてしまうので、逃がすための仕組みが最初から入っていて、そこから中の液がしみ出してくる。
これが液漏れで、機械が壊れているというより、限界まで使われた電池が設計どおりに逃がした結果に近い。
やっかいなのは、機器に入れっぱなしの電池が「使っていない」わけではないところだ。
スイッチを切っていても、待機の表示や内部の時計のために、ごくわずかな電気が流れ続けているものがある。
半年かけてゆっくり空になっていって、空になったあともそこに置かれ続ける。
使い切った電池を機器の中で放置する状態がいちばん危ない、というのはそういう理由だ。
もうひとつ、やりがちなのが混ぜて使うことだ。
四本のうち二本だけ手元にあった古いものを足す、銘柄の違うものを混ぜる、残量の違うものを組み合わせる。
直列でつながっているので、弱い一本が先に空になり、そのあとも他の三本に押されて電気を流し続けることになる。
この「押される」状態が、液漏れにいちばん近いところにある。
液漏れの原因は、入れっぱなしのほかにもある
東芝ライフスタイルのQ&Aには、液漏れの主な原因として次のものが挙がっている。
機器に電池を入れたまま長期間放置する、種類や新旧の違う電池を混ぜて使う、使い切った電池を機器の中に放置する、プラス・マイナスを逆に入れる、はんだ付けや加熱をする、の五つだ。
このうち前の三つはここまでで書いたとおりで、残りの二つが、キャンプではちょっと違う顔をする。
逆に入れる、は暗いところでやりやすい。
ランタンの電池ボックスは、プラスとマイナスの向きを示す小さな刻印が見えにくい。
夜に電池を替えるときは、点いていない状態でヘッドライトを当てて、向きを目で確かめてから入れたほうがいい。
向きが合っていなくても、機器によっては点かないだけで済むこともあるが、逆に入ると内部の圧力が上がって液漏れにつながることがあるので、点かなければ電池を入れ直す前に向きを疑う。
もうひとつ、保管の温度と湿気も効いてくる。
パナソニックの保管の案内では、10〜25℃が理想で、30℃を超えないようにして、直射日光や高温多湿の場所は避けるとある。
夏の車の中はこれを簡単に超える。
ランタンを積みっぱなしで夏を越すのは、電池にとってはいちばん条件が悪い置き場だと思う。
白い粉を見つけたら、まず触らない
漏れてくる液は強いアルカリ性で、皮膚につくとよくない。
乾いて白く固まっている粉も同じものが乾いただけなので、指でこすり落とすのはやめたほうがいい。
片づける順番は、次のとおりだ。
電池を抜くときは、まず薄い手袋をする。
使い捨てのもので構わないし、無ければビニール袋を手にかぶせるだけでもいい。
抜いた電池はそのまま袋に入れて口を縛る。
粉は乾いた布か綿棒で、外へ払うのではなく拭き取る方向で落とす。
息を吹きかけて飛ばすのは、粉が目に向かうのでやめたほうがいい。
水をたっぷり使って洗い流したくなるが、機器の中身を濡らすと別の故障になる。
湿らせた綿棒で拭いて、そのあと乾いた側で水気を取る程度にとどめておく。
もし皮膚についたら、こすらずに水でよく流す。
目に入った場合は流したうえで医者にかかること。
ここだけは自己判断しないほうがいい。
抜いた電池の捨て方は自治体ごとに違う。
燃えないゴミでいい地域もあれば、回収箱に出す地域もあるので、住んでいるところの案内を見てほしい。
液が手についたとき、口や目に入ったとき
白い粉を見つけたときの手順は上に書いたが、ここは別に分けておく。
慌てやすい場面なので、先に順番を決めておいたほうがいい。
皮膚についたら、こすらずに水でよく洗い流す。
口に入ってしまったときは、水道水などのきれいな水でうがいを十分にする。
目に入ったときは、東芝ライフスタイルのQ&Aでも、きれいな水で十分に洗ったあと、直ちに医師の治療を受けるよう案内している。
目だけは、洗って落ち着いたから大丈夫、とは考えないほうがいい。
小さな子どもがいる家庭では、電池そのものも手の届かない場所に置く。
これも同じ案内に書かれている。
抜いた電池を床に置いたまま、ということが、キャンプの片づけでは起きやすい。
端子が白いままだと、新しい電池を入れても点かない
粉を落としたつもりでも、金属のばねや接点に薄い膜が残っていることがある。
そうすると新しい電池を入れても、点かない、暗い、しばらくすると消える、といった症状が出る。
電池が悪いと思って何本も入れ替えて、原因は接点だった、という回り道はよく聞く話だ。
膜が残っているときは、乾いた綿棒でこすってから、接点の復活をうたうスプレーを綿棒に少し取って拭く。
機器に直接吹きつけると余計なところまで回るので、綿棒に取ってから使うほうがいい。
それでも通電しない、ばねが錆びて折れそう、というところまで来ていたら、無理に使い続けないほうがいい。
ここはファスナーが渋いとき、油を差す前に砂を落とす話と考え方が同じで、動きが悪いときにいきなり薬を足すより、先に汚れを落としたほうが早いことが多い。
入れっぱなしをやめるための仕組み
気をつける、だけでは毎年やってしまうので、置き方のほうを変えたほうがいい。
ひとつめは、しまう箱に電池を入れないこと。
抜いた電池は道具と同じ箱に入れず、電池だけの小さいケースにまとめて別に置く。
同じ箱に入れておくと、次に使うときそのまま戻せて便利なのだが、その便利さがそっくり入れっぱなしにつながる。
ふたつめは、使う頻度で電池を分けること。
毎回使うヘッドライトのようなものは繰り返し使える充電池にして、年に数回しか出さない予備のライトは、乾電池を入れずに空のまま置いておく。
充電池は自己放電が少ないものを選ぶと、半年置いても実用になる残り方をする。
アルカリ乾電池に比べると、構造として液漏れが起きにくいと言われている。
みっつめは、買うときに液漏れ対策をうたっているかを見ること。
乾電池は値段の幅が小さいので、まとめ買いするなら防止をうたっているもののほうを選ぶといい。
それでも「入れっぱなしなら漏れない」という意味ではないので、抜くのをやめる理由にはならない。
買った日を電池の側面にペンで書いておくのも、地味に効く。
古いのがどれか分からなくなると、さっき書いた「混ぜて使う」をやってしまうからだ。
電池の置き場所と、使用推奨期限
抜いた電池をどこに置くか、も決めておく価値がある。
パナソニックの案内を、書かれている順に挙げておく。
- 温度は10〜25℃が目安で、30℃を超えない場所に置く
- 直射日光と、高温多湿の場所は避ける
- 冷蔵庫には入れない(取り出したときの結露がサビの原因になるため)
- ネックレス、鍵、コインなど、金属のものと一緒にしまわない
- 未使用の電池と、使いかけの電池は分ける
冷蔵庫に入れると長持ちする、という話を昔どこかで聞いた覚えのある人は多いと思う。
今の案内では結露を理由に勧められていないので、置き場所は常温の引き出しがいちばん無難だと思う。
金属と一緒にしまわない、というのは、ばらの電池を鍵と同じ袋に入れたときにプラスとマイナスが触れて、ショートするのを避けるためだ。
もうひとつ見ておきたいのが、電池に印字されている使用推奨期限だ。
パナソニックの案内では、「月(2桁)-年(西暦)」の順で表示されていて、期限内に使い始めるのが推奨されている。
買ったときに日付を書いておく方法と並べて、期限が近いものから使っていくと、混ぜて使う事故も減る。
ランタンの使い方別に、電池を抜くタイミング
「使い終わったら抜く」と言われても、ランタンは毎週使うものと、年に数回しか出さないものとで、現実の動かし方が違う。
僕が整理するならこうなる、という目安を書いておく。
- 毎週のように使うメインのランタン:シーズン中は入れたままでもいいが、シーズンが終わったら必ず抜く
- 月に一度ほど使うランタン:キャンプから帰った日に抜く。次に使う日の前日に入れる
- 年に数回しか出さない予備のランタンや防災用:電池を入れずに保管し、電池は別のケースに入れて、そのケースをランタンと同じ場所に置く
- シーズンオフに入る前:すべてのライト類の電池ボックスを開けて、目で見て確認する
防災用のランタンは、いざというときに点かなかった、という話が起きやすい道具だ。
だからこそ「電池を入れておく」のではなく、「電池の置き場所を決めておく」ほうが、結果として確実だと思う。
液漏れしたランタンは、まだ使えるか
これは製品によって違うので、断言はできない。
それでも、判断の目安としては次のように考えている。
端子まわりの白い粉が乾いたもので、ばねや接点が金属の色のままなら、拭いたあとに新しい電池で点くことが多い。
接点が緑や青緑に変色していたり、ばねが折れそうなほど錆びていたり、粉が電池ボックスの外の基板まで回っていたりしたら、直して使うより買い替えを考えたほうが早い。
高い道具なら、メーカーの問い合わせ窓口に症状を伝えて、修理が受けられるかを聞くのが確実だ。
電池の液漏れが保証や修理の対象になるかどうかは製品ごとに違うので、取扱説明書の注意書きと一緒に先に確認しておく。
いずれにしても、液漏れが起きたあとに復活するかどうかは運のようなところがある。
運に任せずに済ませるには、冒頭に書いた「使い終わったら抜く」を、片づけの手順の一行目に入れてしまうのがいちばん早い。
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しまう前のひと手間に、電池を足す
以前、焚き火台をしまう前のひと手間で寿命が変わる話を書いた。
灰を落とすとか、濡れたまま袋に入れないとか、片づけの最後の一分の話だ。
ランタンやライトにも同じ一分があって、それが電池を抜くことだ。
点くかどうかは目に見えるので、出発前には誰でも確かめる。
片づけるときは点かなくていいので、そのまま箱に入る。
壊れる場所が、いちばん見ない時間の中にある。
ヘッドライトを明るさだけで選ぶと失敗しやすい話でも書いたが、灯りの道具は買うときだけ真剣になりやすい。
値段や明るさの差より、次に開けたときに点くかどうかのほうが、実際の夜には効くと思う。