登山靴のソールの加水分解|履かなくても劣化する。ポリウレタンは製造後5年程度が寿命の目安
登山靴の靴底は、しまっておいても水分で劣化する。
東京都の事故防止テストの資料から、寿命の目安と点検・しまい方を整理した。
登山靴やトレッキングシューズの靴底は、履かずにしまっておいても壊れることがある。
東京都の生活文化局が事故品を調べたところ、ポリウレタン製のミッドソールが水分で劣化する「加水分解」で破損したと考えられる、という結果だった。
ポリウレタン製のミッドソールは、一般的に製造後5年程度が寿命といわれている。
この記事は、東京都が平成16年(2004年)8月に出した「登山靴・トレッキングブーツの事故防止テスト」の資料を読んで、僕が理解した範囲で整理したものだ。
僕の靴が壊れた体験談ではない。
数字と注意点は資料のものだ。
歩いている途中で、靴底が突然壊れる
資料のきっかけは、歩行中に登山靴やトレッキングブーツのミッドソールが突然壊れる事故だった。
ミッドソールは、三層でできている靴底の真ん中の層で、クッションの役目をしている。
東京都は、生命・身体の安全にかかわる可能性があるとして、原因を調べて注意を呼びかけた。
原因はポリウレタンの加水分解
事故品2つのミッドソールは、一つがエステル系ポリウレタン、もう一つがエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)だった。
新しく買った10足を調べると、6足がポリウレタン、4足が EVA 系だった。
ポリウレタンの靴を100℃の水蒸気の中に10日間置くと、加水分解が起きて、強さが大きく下がった。
EVA 系は逆に、樹脂が縮んで硬くなり、強さが上がった。
加水分解とは、水分の作用でプラスチックの結合が切れることで、起きると強度が下がる、と資料に書かれている。
ここから東京都は、ポリウレタン製のミッドソールは加水分解で壊れたと考えられる、とまとめている。
EVA 製の事故の原因は分からず、接着部分の不具合が推定されている。
製造後5年程度が寿命の目安
資料によると、ポリウレタン製のミッドソールは、一般的に製造後5年程度が寿命といわれている。
ただし、高温で水分がある状態では、劣化が速く進む。
ここで大事だと僕が思うのは、「使った年数」ではなく「作られてからの年数」だという点だ。
年に数回しか山に行かなくても、靴箱の中で時間は進む。
何年か前に買ってしまってあった靴ほど、出す前に確かめたほうがいい。
山に行く前の点検と、濡れたときの乾かし方
資料には、消費者へのアドバイスが三つある。
一つめは、登山に行く前に靴底を繰り返し曲げて、ひび割れなどの異常がないか確かめること。
濡れたときはストーブなど火の近くで乾かさず、布や新聞紙で水分を取ること。
家では、日の当たらない、風通しのよい場所で保管すること。
二つめは、異常が見つからなくても、登山中に壊れたりはがれたりする可能性があるので、紐やテープを持っていくこと。
三つめは、自分の靴の材質などが分からなければ、買った店に問い合わせること。
僕が気をつけたいしまい方
ここからは資料の内容ではなく、僕の考えだ。
キャンプから帰った日は、靴も濡れていることが多い。
車の中や玄関に置いたままにすると、湿ったまま日の当たる場所に置くことになりやすい。
資料の「高温で水分がある状態」に近いので、中敷きを抜いて、新聞紙を詰めて、日陰で乾かしてからしまうようにしたい。
しまう場所は、締め切った靴箱の奥より、風が通るところのほうがいいと思う。
靴箱にしまうなら、除湿剤を入れておくのも一つの手だ。
しまい方の考え方は、テントのカビを防ぐ収納や外したタイヤの保管方法とも共通している。
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上の商品は、楽天市場の人気商品を紹介したものだ。
僕自身は使っていないので、購入前に商品ページで仕様と口コミを確認してほしい。
除湿剤で加水分解が止まる、という資料はないので、点検の代わりにはならない。

