水筒がへこむと保温力が落ちる|埼玉県のテストでは、40kgで大きく凹んだ1本が6時間後58℃に
水筒は40cmから落としても保温の性能は変わらず、落ちたのは大きく凹んだときでした。
埼玉県消費生活支援センターのテスト報告から、キャンプでの扱い方を考えました。
水筒は、落としたくらいでは保温の力はまず落ちない。
落ちるのは、大きく凹んだときだ。
埼玉県消費生活支援センターが2026年3月に出したテストでは、40cmの高さから落としても8本とも性能は変わらなかった。
ところが横から40kgの力をかけて大きく凹んだ1本は、6時間後の湯の温度が71.9℃から58.1℃まで下がっていた。
この記事は、そのテスト報告「ステンレス製水筒に関するテスト」を読んで、キャンプで水筒を扱うときの話に置き換えたものだ。
僕が測った数字ではない。
数字はすべて報告書からの引用で、扱い方の部分は僕の考えになる。
保温効力の「60℃」は6時間後の下限
まず、水筒に書いてある数字の意味から。
ステンレスの水筒は、家庭用品品質表示法で「ステンレス製携帯用まほうびん」に分けられていて、保温効力と保冷効力を表示する決まりがある。
報告書の説明では、保温効力はこう測る。
室温20±2℃のところで、沸騰した湯を満量まで入れる。
湯が95±1℃になったら蓋を閉めて、6時間後の温度を測る。
「保温効力 60℃」とあれば、6時間たっても少なくとも60℃はある、という意味だ。
テストでは、通販で買った8本(1,509〜4,280円)の表示を確かめている。
保温できる6本は、どれも表示より高い温度を保っていた。
表示60℃の製品が61.3℃、表示76℃の製品が81.8℃、という具合だ。
新品の状態なら、表示の数字は信じていい、と僕は読んだ。
落としても、性能は変わらなかった
報告書は、日常で起きそうな衝撃も試している。
一つ目は落下だ。
JIS S2006の決まりに沿って、40cmの高さから厚さ3cm以上の木の板へ落とした。
結果は、8本とも外から見て大きな傷も凹みもなく、性能も変わらなかった。
テーブルから落とした、車の中で倒れた、くらいで慌てなくていいと思う。
ただし試したのは40cmで、板の上だ。
岩場や、もっと高いところからの落下は試していない。
40kgで大きく凹んだ1本は、6時間後に58℃
二つ目は、横から押しつぶす力だ。
幅7.2cm・厚み1cmの道具を水筒の側面に当てて、10kgずつ50kgまで力を増やしている。
荷物の下敷きになった状態を想定した試験だ。
20kgまでは、8本とも凹まなかった。
30kgから、小さな凹みが出る製品が出てきた。
40kgで、2本に大きな凹みができた。
そのあと保温と保冷の性能をもう一度測ると、大きく凹んだ2本だけが落ちていた。
- 保温の製品(表示69℃):荷重の前は71.9℃、40kgのあとは58.1℃。表示を下回った
- 保冷専用の製品(表示8℃):荷重の前は5.4℃、40kgのあとは9.1℃。こちらも表示を超えた
小さな凹みの製品は、ほとんど変わっていない。
効くのは「大きな凹み」のほうだ。
凹んだところから熱が逃げる
ステンレスの水筒は、内側と外側の二重の壁のあいだを真空にしてある。
真空は熱を伝えにくいので、中の温度が外に出ていかない。
報告書の説明では、大きく凹むと外側の壁が内側に触れてしまう。
触れたところから熱が外へ伝わる。
熱画像カメラで見ると、凹んだところだけ温度が違っていた。
熱い湯のときは凹んだ部分が60℃を超え、火傷のおそれがある。
冷たい水のときは13℃を下回り、まわりに結露するおそれがある、と書いてある。
凹んだ水筒は、冷めやすいだけではない。
持ったときに熱いところがある、という危なさも出る。
キャンプで凹ませないために、僕が気をつけること
ここからは僕の考えで、試したわけではない。
水筒を、重い荷物の下に入れない。
車に積むとき、クーラーボックスや水のタンクの下になると、40kgくらいはかかってもおかしくないと思う。
荷室の上のほうか、ドアのポケットのような、ものが乗らない場所に置く。
ザックの中で、硬いものと押しつけ合わせない。
ペグや鍋と一緒に詰めて、上から体重をかけて閉める、というのはやめておく。
ポーチやカバーに入れておくと、ほかの荷物との当たりは少し和らぐはずだ。
ただし、カバーで凹みをどこまで防げるかは報告書には書いていないので、分からない。
凹ませてしまったら、一度確かめる。
報告書のアドバイスにも、落としたり強い力がかかったりしたときは、保温・保冷の効き具合と、内側の温度が外に伝わる場所がないかを確かめ、異常があれば使うのをやめるように、とある。
湯を入れて、しばらくしてから外側を触ってみる。
一か所だけ熱いところがあれば、そこから熱が逃げている。
前の晩に湯を沸かして水筒に入れておく話は朝の湯を夜に沸かしておく記事に、スープジャーを予熱する話はスープジャーの保温のコツに書いた。
どちらも、水筒が凹んでいないことが前提になる。
長く入れっぱなしにしない
報告書は、長い時間置いたときの試験もしている。
4℃の冷水を室温25℃に置くと、24時間後には11〜16℃くらいになり、72時間でほぼ室温になった。
製品による差は大きくなかった。
アドバイスには、時間がたつと中身が室温に近づき、腐りやすくなったり匂いが出たりするので、できるだけ早く飲み切るように、とある。
連泊のキャンプで、二日目にも同じ中身を飲む、というのは避けたほうがいいと思う。
飲み終えたら早めに洗う。
塩素系の漂白剤や金属たわし、研磨剤は傷めるので使わない、とも書いてある。
選ぶときの見方
報告書の購入時のポイントは三つだ。
容量と飲み口の形が用途に合っているか。
保温・保冷の性能は十分か。
入れてはいけない飲み物は何か(例として、スポーツドリンクやスープ)。
ストローやワンタッチの飲み口の製品は、熱い飲み物を入れてはいけないものがある、とも注意している。
冬のキャンプで湯を持ち歩くなら、コップ付きかスクリューの蓋のものを、保温効力の数字を見て選ぶ。
僕はそうする。
PR 本記事は楽天アフィリエイトを含みます。
楽天で人気の保温ボトル・ボトルポーチ
ストアリンクにはアフィリエイト広告を含みます。
Amazonストアで愛用ギアをまとめて見る
ここに並べたのは楽天で人気の商品で、僕は使っていない。
ポーチ付きのものは、ほかの荷物との当たりを和らげる目的で選んだ。
凹みを防げると保証するものではない。
まとめ
- 保温効力の数字は、95℃の湯を満量入れて6時間後の下限。新品の8本は、どれも表示を満たしていた
- 40cmの高さから落としても、8本とも性能は変わらなかった
- 横から40kgの力で大きく凹んだ2本は、保温・保冷とも表示を下回った(保温の1本は71.9℃→58.1℃)
- 凹んだところは外側と内側が触れて、熱い湯なら60℃を超える。火傷に気をつける
- 重い荷物の下に入れない。凹ませたら、湯を入れて外側に熱いところがないか確かめる
出典
- ステンレス製水筒に関するテスト|埼玉県消費生活支援センター(PDF・令和8年3月)(保温・保冷効力の表示と確認結果・落下衝撃試験・荷重試験と性能の変化・長時間の保冷試験・消費者へのアドバイス。2026年10月30日に確認)


