2026.09.23 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット59,693 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

検収とは|納品した日と、うちの会社にお金が入る日はズレていた

納品した日と、うちの会社にお金が入る日は同じじゃなかった。
最初にそれを知ったのは、新人の頃の一件だった。
今は、契約書のどこを見ればいいか分かっている。

新人の頃、納品した瞬間に仕事が終わったと思っていた。
ファイルを送って、お客さんから「ありがとうございます」の一言が返ってくれば、それでこの案件は片づいたつもりでいた。
ところが月末になっても、うちの会社の経理から「あの案件、まだ入金が確認できていない」と聞かれて、初めて自分の勘違いに気づいた。

検収というハンコが押されるまで、請求書は出せなかった

お客さんが納品物を実際に動かして、契約どおりの機能や品質を満たしているかを確認する作業を「検収」と呼ぶ。
僕はこの言葉を、その時まで知らなかった。
受託開発では、納品したかどうかではなく、この検収に合格したかどうかで、請求できるタイミングが決まる。

そのときの案件は、月末ぎりぎりに納品して、同じ月に請求まで済ませるつもりで動いていた。
ところがお客さん側の確認作業に三週間かかり、その間に軽い修正依頼が二回入って、検収が完了したのは翌月の半ばだった。
うちの会社としては、その月の売上に計上できるはずだった金額が、丸ごと翌月にずれ込んだことになる。

検収期間を決めていなかったのが、そもそもの原因だった

あとで契約書を読み返して、検収にかかる期間をどこにも書いていなかったことに気づいた。
「納品から何営業日以内に確認し、問題がなければ検収完了とする」という一文がなければ、お客さんの確認作業がどれだけ長引いても、こちらから急かす根拠がない。

いまは、うちの会社が出す見積もりや契約書に、検収期間を必ず入れるようにしている。
「引き渡しから十営業日以内に確認し、連絡がなければその時点で検収完了とみなす」というような、いわゆる「みなし検収」の条項も添えるようになった。
これがあるだけで、お客さんの確認作業が止まったまま宙に浮く、という事態を防げる。

「検収」と「納品」が同じ意味だと思われていることがある

この言葉が厄介なのは、お客さんの側に伝わっていないことがある点だ。
納品した当日に「もう終わったんですよね」と聞かれて、まだ確認作業が残っていると答えると、少し不満そうな顔をされたこともある。
お客さんにとっては、動くものが届いた時点で「完了」で、その先にもう一段階あることを知らないケースは珍しくない。

いまは、納品のタイミングで「ご確認いただいたうえで、検収完了のご連絡をいただいてから請求書を発行します」という一文を、メールに必ず添えるようにしている。
先に言っておくだけで、あとから「まだ終わっていないんですか」と聞かれることがほとんどなくなった。

いまは、確認する基準を先に文章にしてから納品する

もうひとつ変えたのは、検収の基準をお客さんまかせにしないことだ。
以前は「見ていただいて、問題なければ検収完了ということで」と、あいまいに投げていた。
これだと、お客さんが何を見ればいいのか分からず、確認作業そのものが後回しにされやすい。

いまは、納品前に「この画面のこの操作をして、こう表示されれば合格」という確認項目を、簡単な一覧にして先に渡しておく。
お客さんはその一覧をなぞって確認するだけでよくなり、期間が長引きにくくなった。
金額の大きい案件では、要件定義が終わった時点、設計が終わった時点というように、区切りごとに検収と請求を分ける「中間検収」にすることも増えた。
最後の一回にすべての支払いがまとまっていると、その一回でつまずいたときの影響が大きすぎる。

検収という言葉を知らなかった新人の頃は、納品してから起きることをただ待つだけだった。
いまは、契約の入り口でこの言葉を説明する側に回っている。
うちの会社の見積もりに検収期間の一文を入れるようになったのも、あの月末の一件がきっかけだった。

まる子パパ

まる子パパ

会社員。受託開発のエンジニアで、その前は寿司職人・長距離運転手・農業。 技術ブログは、キャンプの合間に踏んだバグと、AI・Web開発の運用の失敗を書いています。 このサイト自体が、開発に携わっているCMS「コンテナ」の稼働中の実例です。 このサイトについて

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