EUがXに科した1億2000万ユーロの罰金に、アメリカ政府が『待った』をかけた|デジタルサービス法の適用範囲を、法廷で初めて試すことになった
Xの青い認証バッジ、何が問題なのか僕はよく分かっていなかった。
その話に、アメリカの司法省が本気で割って入ってきた。
Xの青いチェックマークって、お金さえ払えば誰でも点けられるあれだ。あれの何がそんなに問題なのか、僕は正直よく分かっていなかった。
ところが2026年9月24日、その「よく分からない話」に、アメリカの司法省が正式に首を突っ込んだというニュースを見て、急に他人事じゃなくなった。
舞台はルクセンブルクの法廷、争っているのは1億2000万ユーロの罰金だ。
何があったのか
2025年12月5日、欧州委員会はX(旧Twitter)に対し、デジタルサービス法(DSA)違反を理由に1億2000万ユーロの制裁金を科した。理由は主に3つで、身元確認なしで誰でも取得できる有料の青い認証バッジがユーザーを欺く設計になっていること、広告がどれだけ・誰に配信されたかを追える「広告リポジトリ」がまともに機能していないこと、そして外部の研究者へのデータアクセスを事実上拒んでいることだった。
XとマスクCEOはこの決定の取り消しを求め、ルクセンブルクの一般裁判所(General Court)に提訴していた(X Internet and X Holdings v. Commission、Musk v. Commissionの2件)。そこに2026年9月24日、アメリカ司法省が「訴訟参加」を正式に申し立てた。
副司法長官のブレット・シュエート氏は「ブリュッセルは自国の管轄権をアメリカ企業に不当に広げようとしている」と主張し、マスク氏個人や別のアメリカ法人にまで審査を広げたことも法人格を無視する行為だと訴えている。DSAの執行決定が裁判所で争われるのは、これが初めてのケースになる。
僕がひっかかったところ
引っかかったのは、罰金の理由が「ユーザー数が多いから」ではなく「透明性」だったという点だ。研究者にデータを見せない、広告の中身を追えなくする。これはこのブログで何度か書いてきた「プラットフォームの中身がブラックボックス化していく」流れの、法廷版だと思った。
もう一つ引っかかったのは、DSAの適用範囲が会社の本社所在地ではなく「EUの利用者に届いているかどうか」で決まる建て付けになっていることだ。うちのサイトもGoogleアナリティクスを見ればヨーロッパからのアクセスがゼロではない。重い義務が課されるのは月間利用者数が桁違いに多い「超大規模プラットフォーム」だけで、個人ブログとは無関係な規模だとは分かっている。それでも線引きの基準そのものを国どうしで争っている光景を見ると、自分のサイトがどっちの理屈の側にいるのか、一度くらい確かめておきたくなった。
で、僕はどうするか
今すぐ何かを変える話ではない、というのが正直なところだ。DSAの重い義務がかかる規模にうちは遠く及ばないし、慌てる理由はない。
ただ、SNS連携で使っているXの規約や機能が、この裁判の行方次第で変わる可能性はゼロではないので、続報は追っておくつもりだ。あとは一度、自分のサイトのGoogleアナリティクスでEUからのアクセス比率がどれくらいあるのか、ちゃんと数字で見てみようと思う。数字を知らないまま「関係ない」と決めつけるのは、このブログでずっと避けたいと言ってきた態度と矛盾する気がするからだ。
出典
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