年金は何歳でもらうかで、月々3万円変わった
老後の年金額は人生モードですでに出していた。
でも「今の自分が何歳から受け取るべきか」には、まだ答えていなかった。
手取りを増やそう!をつくる第12回 / 全12回目次
「年金を何歳でもらうとどのくらい違うか分かるようにしてほしい」という要望をもらった。
人生モードでは65歳受給を前提に年金額を計算していたが、実際に受け取る年齢は60歳から75歳まで自分で選べる。そこを比較できていなかった。
年金額そのものは、計算しないことにした
老齢基礎年金と老齢厚生年金の正確な見込み額を出すには、現役時代の全期間の報酬データが要る。かんたん診断の入力だけでは推測にしかならない。
そこで「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」に書いてある65歳時点の見込み額を、そのまま入力してもらうことにした。数字を当てにいくより、本人が持っている正確な値を使うほうが誠実だと思った。
繰上げ・繰下げの増減率は、人生モードの年金計算ですでに定数として持っていた。1か月あたり、繰上げは0.4%減り、繰下げは0.7%増える。
この率をそのまま両方の年金に掛けて、60歳から75歳まで1歳きざみで一覧にした。
「損益分岐年齢」を計算に入れた
繰下げると月々の受給額は増えるが、受け取り始めるのが遅くなる。何歳まで生きるかで、どちらが得かは変わる。
受給開始年齢ごとに「その年齢から生きた年数×年額」で累計を出し、早いほうの累計を遅いほうが追い越す年齢を、1歳ずつ探して求めるようにした。
老齢基礎年金の満額(847,300円)だけで試すと、65歳受給に対して70歳受給は月額で+29,655円になる。
差だけ見ると大きいが、累計で追い越すのは81歳のあたりだった。80歳より前に受け取り始めた65歳受給のほうが、しばらくは累計で上回り続ける。
「繰下げは得か損か」に一言では答えられないというのは、事前になんとなく分かっていた。
それでも実際に数字にして、81歳という具体的な年齢が出てくると、感覚とは違う重みがあった。
4本の線を重ねて描いた
60・65・70・75歳の4つの受給開始年齢について、累計受給額の曲線を1枚のグラフに重ねて描いた。
横軸は生存年齢、縦軸は累計額。線が交差するところが、そのまま損益分岐年齢になる。
この試算には、加給年金や振替加算、在職老齢年金による支給停止は入れていない。繰下げで年金額が増えれば、税や国民健康保険料もそのぶん増える。そこも計算していない。
それでも、何歳から受け取ると月々いくらで、何歳まで生きれば逆転するのかという骨格だけは、数字で示せるようになったと思う。
追記(2026年9月)
ここで入れていないと書いた加給年金・振替加算、在職老齢年金による支給停止、繰下げ時の税・社会保険料の増加を、年金シミュレーターという独立したゲームで作った。
こちらは加入履歴から見込み額そのものを計算するところから始めている。
このゲームの繰上げ・繰下げ比較は、ねんきん定期便に書いてある見込み額をそのまま使う簡易版として残してある。
現役時代の記録から見込み額を自分で組み立てたい場合は、年金シミュレーターのほうを使ってほしい。
※運営者が個人で書いているnoteです。