2026.09.23 泊まれる場所4,223 立ち寄りスポット59,693 営業中を確認したキャンプ場1,005 note を読む

元総理が落選しても、誰も気づかなかった

大物が出るようにした。当確が465回流れる開票速報のなかで、
その1行は完全に埋もれていた。

選挙にGO!をつくる第16回 / 全24回目次

前回、引退した大物が返り咲きを狙って出馬してくる仕組みを入れた。元総理、元幹事長、元大臣。レア度に応じて、出馬する回と出ない回がある。

実装したあと何度か開票を眺めていて、妙なことに気づいた。
元総理が落ちている。それも何度も。まったく気づいていなかった。

465行のなかの1行

開票速報は、当確が出た順に流れていく。小選挙区289+比例176で、全部で465行。
当選した人はそこに名前が出る。落選した人はどこにも出ない。それが普通の作りだ。

だが、選挙の夜に語られるのは当選者だけではない。
「大物、まさかの落選」というのは、むしろその夜いちばんのニュースになる。実際の開票特番でも、そういう場面にいちばん時間を割く。

速報に別枠を立てることにした。
肩書きを持った人物が議席を得られなかったとき——比例復活も含めて落ちたとき——だけ、赤い線の付いた行を流す。「元党首 落選」。当確の列とは色を変えて、埋もれないようにした。

これだけのことで、開票を見る気分がずいぶん変わった。
自分の選挙区の当落を待ちながら、遠くで大物が沈んでいくのが見える。選挙の夜の手触りに、少し近づいたと思う。

参議院にも同じものを

もう一つ、明らかな片手落ちがあった。元職が衆議院にしか出てこない。

参議院の候補者を作るコードは衆議院とは別経路で、そこに配線し忘れていた。
このゲームでは「衆院にあって参院にない」という抜けを何度も踏んでいる。以前は参院で候補者が死んでも訃報が出ず、そのまま開票へ進めてしまうバグがあった。今回もまったく同じ形だ。

参院は県がそのまま選挙区なので、衆院のように区番号を指定する必要はない。その土地ゆかりの元職が、改選のたびに抽選される。合区(鳥取・島根、徳島・高知)にも現れる。
25回まわしたら延べ87人が出馬してきた。石場茂之(元防衛大臣)が鳥取・島根の合区に立つ、という絵は悪くない。

AIに「次の選挙」を見せるべきか

最後に残っていたのが、おまかせ進行の話だった。

選挙戦のAIは、その選挙の中しか見ない。党内影響力を積んでも今回の票は1票も増えないので、「党の会合に出る」は永久に選ばれない。
だが影響力は、次の選挙の公認争いと、任期のあいだに回ってくる椅子に効く。見えていないだけで、価値はある。

影響力にも小さな重みを与えて、動かしてみた。
結果、党務は相変わらず選ばれなかった。代わりに気づいたことがある。影響力は既に平均3.3ほど伸びていた。討論会や資金集めパーティーが、ついでに影響力を上げていたからだ(前に「入口が党の会合1本では少なすぎる」と足したもの)。

ここで手を止めて考えた。重みをもっと大きくすべきか。

やめておくことにした。
選挙戦のおまかせが見るべきなのは、その選挙に勝つことだ。目の前の票を落としてまで先の椅子を取りにいくのは、代わりに戦ってくれる人としては困る。影響力は「他の手と拮抗したときの差」としてだけ効かせて、それ以上は踏み込まない。
長い目で見る役目は、任期のあいだのおまかせが担っている。あちらは次の選挙を見据えて、足りないものを埋めにいく。役割を分けたほうが、どちらも素直に書ける。

テストにはこう書いた。「票が伸びる手があるなら、そちらを選ぶ(選挙戦の目的は当選すること)」。
仕様というのは、こういう一文で残しておくのがいちばん確実だと思う。

ゲームを1本作るときの進め方を、noteにまとめています(書いているのは私です)。
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まる子パパ

まる子パパ

会社員。受託開発のエンジニアを15年以上続けていて、その前は寿司職人・長距離運転手・農業。 技術ブログは、キャンプの合間に踏んだバグと、AI・Web開発の運用の失敗を書いています。 このサイト自体が、開発に携わっているCMS「コンテナ」の稼働中の実例です。 このサイトについて / 小さな自動化の相談

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