AIが入ったブラウザが、九か月で消えた。ブックマークは自動では移らないらしい
新しい入り口ができるたび、そこに合わせて作り替えるべきか迷ってきた。
今回は、合わせなかったほうが正解だった。
昨日、八月九日でChatGPT Atlasが止まった。
OpenAIが出していた、AIが中に入っているブラウザだ。
公開が二〇二五年十月二十一日なので、九か月とすこししか動いていない。
使っていなかったので実害はない。
それでも、しばらく画面を見ていた。
何があったのか
OpenAIはヘルプの中で「Atlasを非推奨にし、ブラウザ上でのエージェント的な機能をChatGPTとCodexへ移す」と書いている。
止まる日は八月九日で、その日を過ぎるとAtlasは開くことも、ページを見ることも、エージェント的な作業をすることもできなくなる可能性がある、という書き方だった。
移り先として案内されているのは二つ。
一つはChatGPTのデスクトップアプリで、複数のタブ・ダウンロード・ログインが要るページなど、ブラウザに近いことができるようにしていくという。
もう一つはChromeの拡張機能とサイドバーで、こちらはChromeで見ながら横でChatGPTを使う形になる。
気になったのはデータの扱いのほうだ。
ブックマークは自動では移らないので、八月九日より前にHTMLの形で書き出して、Chromeなど別のブラウザへ取り込んでおくこと、と書いてある。
開いているタブと履歴も自動では移らない可能性があるので、必要なページは先に控えておくように、とも。
Cookieについては可能な範囲で書き出す手段を用意するとしつつ、Cookieやセッションのファイルは信頼できる相手以外に渡すな、という注意まで添えられていた。
僕がひっかかったところ
一つめは、ブックマークが自動で移らないという一行だ。
あれは自分で集めたものなのに、置き場所を替えるだけで自分では動かせない。
自分のものだと思っていたものが、実は預けものだったという話になる。
二つめは、九か月という長さ。
この一年、AIが入ったブラウザは新しい入り口として何度も話題になっていた。
そのたびに「うちのサイトもそこ向けに何かしたほうがいいのか」と考えて、結局なにもしなかった。
今回に関しては、それが正解だったことになる。
三つめは、閉じ方そのものは丁寧だったこと。
止まる日を先に告げて、書き出しの手順を書いて、会社で使っている人向けの案内まで用意している。
それでも消えるものは消える。
丁寧かどうかと、消えるかどうかは別の話なのだと改めて思った。
ブラウザが二週間ごとに新しくなるという話を前に書いた。
あのときは追いかけるのをやめる、と書いた。
追いかけないでいるうちに一つ消えた、というのが今回だ。
で、僕はどうするか
やることは、たぶん三つしかない。
一つ。どの入り口から来ても同じに読めるページにしておく。
特別な仕組みを入れず、普通のHTMLで、文字と画像がそのまま読める形。
地味だが、これがいちばん寿命が長い。
二つ。自分のものは自分のところに置く。
サイトの中身も、書きためたものも、外のサービスの中だけに置かない。
手元に持っていれば、預け先が消えても引っ越すだけで済む。
三つ。新しい入り口が出ても、すぐには合わせない。
数字を見て、実際にそこから人が来るようになってから考える。
早く動いたぶんが無駄になる回のほうが、いまのところ多い。
ブラウザを一つ作って畳めるのは、体力のある会社だけだ。
そこと同じ速さで動く必要は、個人のサイトには無いと思う。