ブラウザが二週間ごとに新しくなる。追いかけるのはやめることにした
Firefoxが九月から二週間ごとに新しくなる。
個人でサイトを持っている側からすると、これは追いかけ方を変えろという話だと思った。
朝、開発者向けのメーリングリストの投稿が流れてきて、思わず二度読んだ。
Firefoxを二週間ごとに出すという。
いまは四週間に一度。
それが半分になる。
自分でサイトを作って、自分で保守している側からすると、これは他人事ではなかった。
何があったのか
2026年7月10日、Mozillaのエンジニアリングディレクターである Sylvestre Ledru 氏が、開発者向けのメーリングリスト dev-platform に投稿した。
内容は、Firefox のデスクトップ版とAndroid版のリリース間隔を、四週間から二週間に短縮するというもの。
最初の対象は Firefox 155 で、当初の予定だった9月15日ではなく、9月1日に出る。
本人は「これは実験だ」とはっきり書いている。
そして、こうも書いていた。
準備できていない仕事を急がせるものではなく、機能は必要なだけ時間をかけていい、と。
同じ方向にはすでにGoogleが動いていて、Chromeは2026年3月に二週間ごとのリリースへ移っている。
長期サポート版(ESR)はこれまでどおり年に一度のままで、7月21日に出た Firefox 153 が次のESRにあたる。
僕がひっかかったところ
速くなること自体には反対しない。
直りが早いということでもあるし、放置されたブラウザのほうがよほど怖い。
ひっかかったのは、バージョン番号がだんだん日付と変わらなくなっていくことだ。
「この機能はバージョン◯◯以降で使えます」という言い方が、いままでは目安として機能していた。
二週間ごとに数字が増えるなら、その数字を覚えている人はいなくなる。
そしてもう一つ。
確認の締切が消える。
四週間に一度なら、月に一回どこかで表示を見ておけばよかった。
二週間ごとになると、見た次の週にはもう次が出ている。
全部を追いかけようとした瞬間に、個人の運用は破綻する。
で、僕はどうするか
追いかけないと決めた。
そのかわり、追いかけなくても壊れにくい作り方に寄せる。
一つめは、標準の書き方から外れないこと。
特定のブラウザでだけ通る書き方や、動いてしまったから残している裏技のようなものを、この機会に消していく。
標準どおりに書いてあるものは、更新が速かろうが遅かろうが壊れにくい。
壊れるのはいつも、自分だけの近道を通っているところだ。
二つめは、見るところを先に決めておくこと。
全ページを毎回見て回るのは無理なので、崩れたら困る場所だけを決める。
うちの場合は、問い合わせフォーム、地図の埋め込み、日付まわりの表示の三つ。
この三つを月に一度だけ、実機で触る。
二週間ごとの更新を全部追うのではなく、壊れていたら気づける状態を保つほうに時間を使う。
三つめは、読み手に対して構えないこと。
訪問してくる人のブラウザは、こちらが揃えられるものではない。
古いものも新しいものも来る前提で作るしかない。
更新が速くなるというのは、その前提が少しだけ有利になるという話でもある。
みんなが新しいものを使っている状態に、いまより早く近づくのだから。
実験だと明言されている以上、この先どうなるかは分からない。
それでも、四週間に一度という間隔を前提に組んでいた自分の点検の仕方は、もう古いのだと思う。