AIとの会話が長くなるほど、話が通じなくなる。区切るタイミングを決めた

同じ条件を三度説明している自分に気づいた。
相手が忘れたのではなく、僕が渡しすぎていたのだと思う。

夕方、画面の向こうに同じ説明を三度書いていた。
朝いちばんに伝えたはずの条件が、どこかで消えている。
こちらの書き方が悪いのかと思って、もっと丁寧に、もっと長く書いた。
そうしたら、もっと通じなくなった。

AIは毎回、会話の最初から読み直している

ここを勘違いしていた。
人と話すときは、相手が前のやりとりを覚えている前提で話す。
だから続きから話せるし、短い言葉で済む。

AIとのやりとりは、そういう作りになっていない。
返事を書くたびに、その会話の最初から最後までをまとめて読み直している。
「前に言ったよね」が通じるのは、その前のぶんも毎回一緒に渡しているからで、相手が覚えているからではない。

この一回に読ませられる量には上限があって、そこを窓にたとえることが多い。
窓の大きさは決まっている。
会話が伸びるということは、その窓に押し込む文字が増え続けるということだ。

長くなると、何が起きるか

僕が実際に困ったのは、この三つだった。

ひとつめ。
最初に出した条件が薄まる。
朝に「この書き方でお願いします」と伝えても、そのあとに雑談や試行錯誤が二十往復ぶん積み上がると、その一行は大量の文字の中に埋もれる。
消えたわけではないのに、扱いが軽くなる。

ふたつめ。
捨てたはずの案を引きずる。
途中で「やっぱりこの方向はやめよう」と決めても、やめた案の説明はそのまま会話の中に残っている。
相手にはどちらも同じ重さで見えているので、しばらくすると戻ってくる。

みっつめ。
こちらの読む気が落ちる。
長い会話は自分でもさかのぼれない。
何をどう決めたのか分からなくなって、結局また同じ質問をする。

僕が決めた、三つの区切り方

道具を変えたわけではない。
やめどきを決めただけで、ずいぶん楽になった。

話題が変わったら、新しく始める。
文章の相談をしていた流れで「ついでにこのエラーも」と続けない。
ついでのつもりの一行が、そのあとのやりとり全部に付いて回る。
別の話は別の場所で。

行き詰まったら、要点を三行にして渡し直す。
「いま何を作っているか」「決まっていること」「まだ決まっていないこと」。
この三行を自分で書き直して新しい会話に貼ると、驚くほど話が通る。
書き直す作業そのものが、自分の頭の整理にもなっている。

毎回言う決まりごとは、文章にして外に置く。
口調、使わない言い回し、ファイルの置き場所。
毎回打ち直しているものがあれば、それは会話ではなく設定に近い。
この話は前に規約ファイルを一枚書いた話として書いた。

それでも、長く続けたいときはある

ひとつの作業を最後まで見てもらいたい日もある。
そういうときは、途中で一度「ここまでで決まったことを箇条書きにして」と頼む。
出てきた箇条書きを自分で読んで、違うところだけ直す。
そこから先は、その箇条書きを持って新しく始める。

要は、引き継ぎを自分で書いているだけだ。
人に仕事を渡すときにやっていることを、相手が機械でもやる。
それだけのことに、僕はずいぶん遠回りして気づいた。

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