AIの学習に海賊版が混ざっていた。15億ドルで手打ちになった
1冊あたり約3,000ドル。数字を見て、意外と生々しいなと思った。
道具を使う側として、材料の出どころを気にするようになった。
AIの学習データに海賊版の書籍が使われていた件で、大きな和解が最終的に認められた。
毎日使っている道具を作っている会社の話なので、他人事として読めなかった。
15億ドル、1作品あたり約3,000ドル
訴えていたのは著者たちで、自分の本が無断でAIの学習に使われたと主張していた。
和解額は15億ドル。
対象はおよそ50万作品とされ、1作品あたりおよそ3,000ドルが権利者に配分される見込みだという。
問題になったのは、海賊版の書籍を集めたデータベースから本を取り込んでいた点だった。
和解の条件には、その海賊版のコピーを破棄することも含まれている。
担当の判事が最終承認に署名したのが2026年7月20日だ。
金額より、1冊あたりの数字が刺さった
15億ドルという数字は、大きすぎてかえって実感が湧かない。
むしろ手が止まったのは、1作品あたり約3,000ドルというほうだった。
誰かが何年もかけて書いた1冊が、その金額で片がつく。
高いのか安いのかを判断する立場に僕はいないけれど、値段がついた瞬間に話の性質が変わった感じがした。
権利の話が、精算の話になった。
書く側としては複雑だ。
うちのブログの文章も、どこかで材料になっているかもしれない。
そのとき僕に3,000ドルが届くとは思わないし、届いてほしいわけでもない。
ただ、勝手に持っていかれたのか、断れる機会があったのかは、はっきりさせてほしいと思う。
道具を選ぶときに、見るところが増えた
この件のあと、AIを選ぶときの見方が少し変わった。
速さや賢さだけでなく、どうやって作られたかを気にするようになった。
ここは料理の材料と同じで、外から完全には確かめられない。
だから、聞かれたときにきちんと答える会社かどうか、という見方になる。
今回のように、まずいものが混ざっていたと認めて代償を払うのは、隠し通すよりずっとましだ。
使う側にできるのは、そういう振る舞いを見て選び続けることくらいだと思っている。
地味だけれど、いちばん効く票の入れ方かもしれない。