2.4兆のAIが、今週ひらかれる。でも僕が待っているのは同じ日に出る小さいほうだ
先週の月曜に出たばかりのモデルの重みが、今週公開されるらしい。
数字が大きいほど話題になるけれど、うちで動くのは小さいほうだ。
先週の月曜、また新しいAIが出た。
2.4兆パラメータ、と書いてある。
もう桁が大きすぎて、正直なところ実感がわかない。
それより気になったのは、そのモデルの中身、いわゆる重みが今週のうちに公開されるという話のほうだった。
このところ閉じる方向に進んでいたので、ちょっと意外だったのだ。
何があったのか
2026年8月3日、アリババが Qwen3.8-Max を公開した。
同社の Model Studio という基盤のAPIと、QwenWork というサービスから使えるようになっている。
公表されている数字を並べると、こうなる。
総パラメータ数は2.4兆。
ただし全部が同時に動くわけではなく、質問ごとに一部だけを使う仕組み(MoE)だ。
実際に何割が動いているかは公表されていない。
入力として受け取れるのは文章と画像と動画で、返ってくるのは文章。
一度に読ませられる量はおよそ100万トークン、返ってくる長さは最大で13万トークンほど。
料金は100万トークンあたり入力2ドル、出力6ドル。
同じ内容を読み直させるときに効く「キャッシュ入力」は0.25ドルとされている。
そして重みの公開は「翌週」と告知されていた。
記事が出たのが8月3日なので、まさに今週にあたる。
小さいほうの Qwen3.8-27B も同時に出るという。
報道によれば、この会社が最上位クラスのモデルを開くのは今回が初めてで、今年の前半はむしろ非公開の方向に寄っていた。
僕がひっかかったところ
ひとつめ。
2.4兆が公開されると言われても、僕の手元では1バイトも動かない。
前に2.8兆のモデルが公開された回でも同じことを書いた。
公開と、使えることは別だ。
だから僕が待っているのは、同じ日に出るという27Bのほうだ。
こちらなら、それなりの機械があれば手元で動く見込みがある。
見出しは大きい数字を運ぶけれど、個人サイトの役に立つのはたいてい小さいほうだった。
ふたつめ。
開くか閉じるかが、年単位で行ったり来たりしている。
同じ会社が半年前は閉じていて、いまは開いている。
ということは、開いているうちは自由に使えるという前提そのものが、あまり当てにならない。
開いた理由も、たぶん思想ではなく競争の都合だ。
いま無料で公開されているものが、来年も同じ条件で置いてある保証はどこにもない。
みっつめ。
値段を見比べたくなったが、これは前に痛い目を見ている。
入力2ドル・出力6ドルは、いま僕が使っているものと比べれば安い。
ただトークンの数え方が変わった回で書いたとおり、同じ文章でもモデルによって数えられるトークン数が違う。
しかも日本語は英語より重く数えられやすい。
単価だけ並べても、請求書の額は予想できない。
で、僕はどうするか
乗り換えない。
でも、乗り換えられる形にはしておく。
具体的には、AIに頼んでいる処理をサイトの中に直接書かないようにしている。
頼む文面と、どのモデルに投げるかを一箇所にまとめておいて、そこだけ差し替えれば切り替わるようにする。
こうしておくと、値段が動いても、会社の方針が変わっても、慌てずに済む。
それから、自分の実測値を持っておくこと。
1トークンいくらではなく、いつもの1回の仕事でいくらかかったかを控えておく。
比べる相手を自分の中に持っていないと、安いか高いかは判断できない。
最後に、これは自分への宿題なのだが、手元で動く小さいモデルが実用になったとき、何を外に出して何を出さないかを決めておきたい。
いま僕は、下書きも設定ファイルも平気で外へ投げている。
それが当たり前になっているのは、単に他に選択肢がなかったからだ。
選択肢ができたときに考えはじめるのでは、たぶん遅い。
大きい数字のニュースを追いかけるのは、そろそろやめようと思っている。
見るべきなのは、自分の手元で回るサイズのほうだ。