掲示板ばかり上に出るのはえこひいきではない、とGoogleが言った

Redditが特別扱いされているという見方を、Googleが正面から否定した。
個人でサイトをやっている側からすると、否定されたほうが厄介だったりする。

検索をして、また掲示板が上に出てきた。
そういう場面が増えたと感じている人は、たぶん僕だけではないと思う。

その掲示板を特別扱いしているのではないか、という見方に対して、Googleが正面から「していない」と答えた。
読んだあと、しばらく考え込んでしまった。

何があったのか

2026年8月4日、The Verge が Reddit と AI 検索まわりの記事を出した。
そのなかで Google の広報担当 Jennifer Kutz 氏が、Reddit は検索順位でも AI 検索の機能でも「特別扱いはされていない」と述べている。
AI の回答機能についても、特定のサイトやプラットフォームの内容を出すことを狙った作りにはなっていない、という説明だった。

掲示板には質の高いものも低いものもあり、それは他の形式でも同じで、自分たちのシステムは投稿型の内容が役に立つかどうかを見分けるように作ってある、とも言っている。
「規則をかいくぐろうとする者は常にいる。スパムはインターネットより古い」という言い方で、その対策は自分たちの中心的な専門分野だ、とも述べた。

ひっかかるのは、この発言が出た時期だ。
優遇されていると言われてきた当の Reddit は、いま Google からの流入を減らしている。
2026年5月21日に始まったコアアップデート(6月2日完了)と、6月24日に世界へ展開されたスパムアップデート(6月26日完了)の両方で影響を受けたと見られていて、7月には検索経由の流入への懸念から株価が時間外で約12%下げた。

背景にあるのは、AI の回答に自分の商品を出させるために掲示板へ書き込む、という手口だ。
コーネル大学の研究者は、Reddit のコメントに13語ほどの文章を仕込むだけで AI の答えを動かせることを示した。
研究者のひとりは「本当にそれだけのことなんです」と言っている。
Reddit 側は1日あたり2,300万件のスパム表示を止め、200万近い不正な投票を無効にしていると説明しているけれど、この種の書き込みは本物の利用者の文章と見分けがつかない。

僕がひっかかったところ

ひとつめは、えこひいきしていないという説明と、掲示板が上に出るという体感が、矛盾なく両立してしまうことだ。
特定のサイトを持ち上げる仕組みが無くても、投稿型の内容を評価する仕組みがあれば、投稿が集まっている場所は勝手に上に来る。
そこを優遇しているのではなく、そういう性質のものを探している。
こちらから見える結果は同じなのに、相手を名指しできないぶん、打つ手を考えにくい。

ふたつめは、優遇されていると言われてきた側が落ちている、という事実のほうだ。
検索での見え方は、誰かが約束してくれるものではない。
あれだけ大きい掲示板でも、更新が一回来れば数字が動く。
ならば個人サイトの順位が上下するのも、当たり前のこととして受け止めるしかない。

みっつめが、いちばん気になった。
13語で動かせるのなら、そこに書かれていることの信用は、いずれ落ちる。
いま掲示板が上位に来ている理由は「人が実際に書いたから」なのに、その場所へ人ではないものが流れ込んでいる。
しばらくすれば、読んだ人が「これ、本当に使った人が書いたのかな」と思うようになる。
そのときに残るのは、誰が書いたか分かる場所のほうだと思う。

で、僕はどうするか

掲示板に書くのをやめよう、という話ではない。
あそこはもともとよその土地で、僕が耕す場所ではない。

やることは三つに絞った。
ひとつは、自分のサイトを引用元にすること。
よそで語られている内容を要約し直すのではなくて、自分で測った数字、自分で行った日付、自分で撮った写真を置く。
13語で動かせる文章と、実際に確かめて書いた文章の差は、そこにしか出ない。

ふたつめは、名前と経歴を隠さないこと。
誰が書いたか分かる文章のほうが、これから価値が上がる方向へ動いていると思う。

みっつめは、AI に引用されることを目標にしないこと。
引用されるように書く、を突き詰めた先にあるのが今回の手口だ。
そこを追いかけ始めた瞬間に、書いているものが自分のものではなくなる。

見に来ている相手の半分以上がもう人間ではない、という話は前に書いたけれど、今回のは書いている側にも同じことが起きているという話だ。
順位が付く理由は、外からは見えない。
見えているのは、自分が何を確かめて書いたかだけだと思う。

出典

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