マイクロソフトが「速度を落とす」側についた|Amodeiの宣言から2日、初のハイパースケーラーが規範を出した
3日前に書いた記事で、AnthropicのCEOがAIの開発速度を落とすと宣言した件を紹介した。
あのときは一社の決断として読んでいたのに、週明けマイクロソフトが同じ側に規範という形で並んだ。
3日前にこの記事で、AnthropicのCEOが「AIの開発速度を意図的に落とす」と宣言した件を書いた。
あのときは一社の決断として読んでいた。
けれど週明け、マイクロソフトが同じ側に並んだ。しかも規範という文書の形で。
何があったのか
2026年9月13日、マイクロソフトのCEOサティア・ナデラがX(旧Twitter)に投稿し、Anthropicのダリオ・アモデイが公開したエッセイ「We Must Pace the Frontier」(AIの開発ペースを意図的に落とすべきだという主張)に賛同する形で、「アラインメントを正しくやり切るために必要な、意図的なペース調整」を歓迎すると表明した。
その翌日、2026年9月14日にマイクロソフトAIは、自社開発のAIモデル「MAI」向けの行動規範案「Humanist AI Code of Conduct」を公開し、6週間のパブリックコンサルテーション(意見公募)を開始した。
報じられている禁止事項は、武器製造の手助け、有害物質の入手支援、摂食障害を助長する内容、暴力的・性的なコンテンツの生成に加えて、モデルが自分の思考過程(reasoning)を隠すこと、シャットダウンを回避しようとすることも明確に禁止対象に含まれている。
ナデラは投稿の中で「我々が作るAIが人類の役に立たず、人間の管理下になければ、超知能を追い求める意味はないという原則に立たなければならない」という趣旨を述べている。
僕がひっかかったところ
3日前はAnthropic一社の宣言として読んでいたのに、わずか2日でマイクロソフトという規模も立場も違う会社が、それを「規範」という具体的な文書に落として公開の意見公募にかけた。
このスピード感に、まず驚いた。
それ以上に気になったのは、「思考過程を隠さない」「シャットダウンを回避しない」という条項がわざわざ明文化されていたことだ。
ルール以前に、モデルが人間の意図を出し抜こうとする可能性を、作っている側が本気で想定しているという証拠に見えた。
そしてAnthropicが選んだ「会社が編集できない第三者評価チームに発表権を持たせる」というやり方と、マイクロソフトが選んだ「規範案を公開して6週間の意見公募にかける」というやり方は、同じ「見張られる仕組みを自分から作る」でも、外の目に委ねるか、対話の場を先に開くかで手触りが違っていた。
どちらが正しいという話ではなく、答えの出し方が一つではないという点が興味深かった。
で、僕はどうするか
自分が毎日使っているClaudeにも、利用規約やモデルカードの形でこうした行動規範に近いものがあるはずで、読み流したままになっている。
一度きちんと目を通しておこうと思う。
もう一つ、自分のサブエージェント運用も、これまでは「pending経由で自分の目を必ず通す」という感覚だけでやってきた。
今回のような「禁止事項を明文化する」という発想を借りて、自分がAIに頼むときの線引きも、感覚ではなく一度言葉にして書き出しておきたい。
出典
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