同じ充電器なのに、車の中だと充電が遅い。犯人はケーブルだった

ワット数は、充電器だけでは決まらない。
送る側と、通る道と、受け取る側。いちばん小さいところに揃えられている。

車中泊した翌朝、スマホの残量が60%だった。
寝る前に挿しておいたのに、一晩かかって半分ちょっとしか戻っていない。

家なら一時間で八割まで戻る充電器だ。
壊れたのかと思って買い替えて、それでも変わらなくて、やっと分かった。
遅くしていたのは、何年も使い回していたケーブルのほうだった。

充電の速さは、三つの掛け算で決まる

電気を送る側と、通る道と、受け取る側。
この三つのうち、いちばん小さいところに全体が合わせられる。

送る側が充電器で、65Wと書いてあればその手前までは出せる。
通る道がケーブルで、ここにも通せる量の上限がある。
受け取る側がスマホやノートパソコンで、機種ごとに受け入れられる量が決まっている。

65Wの充電器に60Wまでのケーブルを挿して、30Wまでしか受け取らないスマホを繋いだとする。
このとき流れるのは30Wだ。
僕がやっていたのは、この三つのうち道だけが古いまま取り残された状態だった。

ケーブルには「通せる量」が決まっている

USB-Cのケーブルは見た目がほとんど同じなので、性能に差があること自体に気づきにくい。
ざっくり言うと、60Wあたりまでのものと、100W以上を通せるものに分かれる。

大きい電力を通せるほうには、ケーブルの中に小さなチップが入っている。
「うちは何ワットまで通せます」と機器に申告する部品で、これが無いケーブルは60Wの手前で頭打ちになる。

厄介なのは、遅いだけで一応は充電できてしまうところだ。
煙が出るわけでも、エラーが出るわけでもない。
だから何年も気づかないまま使い続けてしまう。

買うときはパッケージのワット数を見る。
どこにも書いていないものは、たいてい60W側だと思っておくと外れが少ない。

車の中には、もうひとつ上限がある

家と違うのは、電気の出どころが車だという点だ。
シガーソケットは12Vで、ヒューズは10Aか15Aのことが多い。
掛け算すると、その口から取れるのはだいたい120Wから180Wという計算になる。

そこに65Wの充電器を二つ挿せば、それだけで上限が見えてくる。
同時に何か動かしていれば、当然もっと厳しい。
僕はあの晩、ノートパソコンとスマホと小さな冷蔵庫を同じ系統から取ろうとしていた。

取扱説明書には、どの差込口が何アンペアまでか書いてある。
探してみると、運転席まわりと後ろでは別のヒューズになっていることが多い。
挿す場所を分けるだけで症状が消える場合もある。

いま僕がやっていること

車に積むケーブルだけ、ワット数の書いてあるものに入れ替えた。
短いほうが途中で失う電気が少ないので、車内用は1メートル前後にしている。

それと、根元にテープを巻いて数字を書いた。
見た目は良くないけれど、暗い車内で二本を見分けるにはこれがいちばん早い。

買い替えたのはケーブルだけで、金額としては千円台だった。
原因が、持ち物のいちばん安い部分にあることは、けっこうある。
電源まわりの機材についてはギアのページにまとめてあるので、そちらもどうぞ。

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