AIの値段がまた下がった。ただし三か月だけ、しかも安くなったのは僕が使っていないほうだった

OpenAI が8月21日に GPT-5.6 Sol の値段を下げた。入力が5ドルから4ドル、出力は30ドルから20ドルへ。
うれしくて長い処理を回そうとして、価格表を開いて手が止まった。
安くなったのは短い文脈のほうで、僕が金を使っている場所ではなかった。

値下げの告知を読んだとき、自分がまず何を考えたかで少し恥ずかしくなった。

安くなるなら、いままで我慢していた長いほうの処理も回せるな、と思ったのだ。
使う量は変えずに請求が下がる、という受け取り方を先にしなかった。
値段が下がると使う量が増えて、結局同じか少し高くなる。
それは自分でも何度か通った道なのに、告知の一行でまた同じ入口に立っていた。

何があったのか

OpenAI が2026年8月21日に、GPT-5.6 Sol の値段を下げた。

百万トークンあたりの入力が5ドルから4ドル、出力が30ドルから20ドル、キャッシュされた入力が0.50ドルから0.40ドルになっている。
出力にいたっては三分の一が消えた計算になる。

効くのは API と Codex のクレジット、それと対象になる ChatGPT Work のプラン。
個人が月額で使っている Pro・Plus・Business の購読料は変わらない。
そして告知にはっきり「少なくとも2026年11月21日まで」と書いてある。
期間を区切った値段だという前置きが、最初から置かれている。

僕がひっかかったところ

ひとつめは、その「少なくとも」という言い方だ。

延長されるかもしれないし、戻るかもしれない。
どちらにしても、いまの値段を前提にして仕組みを組むと、11月の下旬に自分の作ったものが急に重くなる。
安いあいだにできることを増やすのは、三か月後の自分に請求書を回しているのと同じだと思った。

ふたつめは、価格表を開いてから気づいた。

安くなっているのは短い文脈のほうで、長い文脈は入力8ドル・出力30ドルと、そのまま倍が並んでいる。
僕が「安くなったから回そう」と思った処理は、まさに長い文章を丸ごと投げるやつだった。
値下げの見出しと、自分がいちばん金を使っている場所が、重なっていない。
見出しだけ読んで得した気になるのが、いちばん危ない。

みっつめは、前に書いたことがそのまま効いてくる。

同じ文章を投げているのに、数えられるトークンが三割ぶん増えていたことが以前あった
単価が下がっても、数え方が変われば手元の請求は動く。
だから見るべきなのは一トークンいくらではなくて、月末に出てくる合計のほうだ。
単価で一喜一憂していると、増えた理由をずっと取り違える。

よっつめは、これが三か月足らずで二度目の値下げだということ。

紹介記事のひとつは、これを「高い利幅の商売から、設備の取り合いに変わってきた」という見立てで書いていた。
言われてみると、半年前は最先端のモデルというだけで値段がついていた。
いまは同じ性能をいくらで出せるかの競争になっている。
使う側としては助かるけれど、これは向こうの都合で動いている数字で、こちらの計画とは何の関係もない。

で、僕はどうするか

四つ決めた。

ひとつ、値下げに合わせて使い方を増やさない。
いまの使い方のまま、下がったぶんはそのまま受け取る。
増やすかどうかは、値段ではなく必要かどうかで別に決める。

ふたつ、長い文脈を投げる処理だけ、数え方を分ける。
単価が倍なら、そこだけ別勘定にしないと合計を見誤る。
うちは記事の下書きと調べものでモデルの使い方がまったく違うので、そもそも混ぜて数えるべきではなかった。

みっつ、11月の下旬に見直す日をカレンダーに入れた。
期限つきだと分かっているものを、期限が来てから気づくのはもったいない。
そのころには、また別の値段になっている可能性のほうが高いとも思う。

よっつ、一社の値段を前提にした作りにしない。
差し替えられる形にしておけば、上がっても下がっても、慌てる必要がなくなる。
いちばん高くつくのは、安さに合わせて身動きが取れなくなることのほうだ。

安いうちに、というのがいちばん危ない

個人でサイトをやっていると、月に数千円の差でも普通に効く。

だから値下げは素直にうれしい。
うれしいのだが、うれしさの向きを間違えると「安いうちにたくさん使っておこう」になって、使う量そのものが増える。
増えた量は、値段が戻っても減らない。

今回のことで自分が学んだのは、値段の話が来たときに見るのは告知ではなく、自分の先月の請求だということだった。
そこに何が並んでいるかを知らないまま安くなっても、安くなった実感は出てこない。

出典

※ 価格はいずれも2026年8月28日に上記ページで確認した時点のものです。促進価格は期間が区切られているので、実際に使う前にご自身で最新の価格表を確認してください。

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