衆議院総選挙のゲームを作るはずが、憲法を読みはじめていた
選挙制度をゲームにするなら、条文まで正しくしたかった。
気づけば公職選挙法と日本国憲法を、並べて読んでいた。
「衆議院の総選挙をシミュレーションするゲームを作りたい」と思ったのが、そもそもの始まりだった。
登場する議員は実在の人物をもとにしつつ名前は少しもじる、地方選や知事選もいずれ足したい、一人の議員として当選を目指すモードも欲しい。頭の中の要望は、わりと最初からにぎやかだった。
雰囲気だけのゲームにはしたくなかった
選挙をテーマにするなら、小選挙区は最多得票が勝つ、比例代表はドント式で議席を配る、供託金には没収点がある——そのあたりを「それっぽく」ではなく、実際の制度どおりに動かしたかった。
調べはじめると、公職選挙法だけでは足りないことにすぐ気づく。国会の定足数も、内閣不信任の扱いも、衆議院の解散も、根っこは日本国憲法に書いてある。
結局、ゲームのデータ構造そのものに「この数字はどの条文が根拠か」を持たせることにした。
465という議席数も、12日間という選挙運動期間も、ただの定数として置くのではなく、法律名・条文・条文の引用文をセットで持たせている。数字を変えたくなったとき、それが本当に変えていい数字なのか、条文を読み直さずに済むようにするためだ。
実在の人物を、どこまで実在にするか
もう一つ最初に決めておいたのは、線引きだった。
実在の政治家をモデルにはするが、名前は変え、得票や支持率などのパラメーターは公表された客観データから機械的に組み立てる。自分の主観で「この政党は支持率を高めにしておこう」といった調整はしない、という約束を自分に課した。
この線引きは、あとで「実在の政党名を使ういま総選挙をしたら」という機能を作るときに、もう一段厳しく効いてくることになる。その話はまた別の回に書きたい。
まずは衆議院、465議席。ここから始まった。
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