あさりの砂抜きは、暗くしておくと早く終わる
塩の濃さと、暗さと、重ねないこと。
道の駅で貝を買った日に、僕がやっている三つのことを書いておく。
海沿いの道の駅では、あさりが安く出ていることがある。
前の晩の潮が良かった翌朝は、だいたい台に並んでいる。
買って帰ってそのまま味噌汁にすると、ひと口目で必ずジャリッとくる。
あの音がすると、その日の食事は半分終わったようなものだ。
砂抜きは面倒に見えて、覚えてしまえば三つだけの話だった。
1. 塩水は、海の濃さに近づける
水道水にそのまま浸けても、あさりは口を開けてくれない。
真水だと弱ってしまって、砂を吐くどころではなくなる。
目安は水1リットルに塩30グラム。
だいたい海の水と同じくらいの濃さになる。
計りが無ければ大さじ2杯より気持ち多いくらいで、そこまで神経質にならなくていい。
塩はよく溶かしてから貝を入れる。
溶け残りが底に沈んでいると、そこに当たった貝だけ動きが鈍くなる。
2. 暗くして、静かなところに置く
三つの中でいちばん効くのがこれだ。
新聞紙をかぶせるか、蓋を斜めに乗せて暗くしてやると、貝は落ち着いて水を吸ったり吐いたりを始める。
明るい台所の真ん中に置いておくと、いつまでも口を閉じたままだ。
同じ時間おいても、暗くしたほうが取れる砂の量がはっきり違う。
冷蔵庫に入れるのは逆効果になる。
冷たすぎると動きが止まってしまうので、常温の涼しいところがいい。
夏に長く置くなら、風の通る日陰にするか、短めで切り上げる。
3. 重ねない。吐いた砂を吸わせない
ボウルに山盛りにすると、下の貝が上の貝の吐いた砂を吸い直す。
平たいバットに、貝どうしが重ならないよう一段で並べるだけで結果が変わる。
ざるを重ねて底を浮かせられれば、なお良い。
吐いた砂はざるの下へ落ちて、貝のところまで戻ってこない。
水の量は、貝の頭が少し出るくらいで足りる。
仕事で使っていた頃も、やっていたのはこの三つだけだった。
道具でどうにかする話ではなくて、貝が動きやすい状態を作れるかどうかで決まる。
持ち帰りのあいだは、水に浸けない
車で運ぶときに袋へ水を入れる人がいるけれど、あれは弱らせるだけになる。
濡らした新聞紙をかぶせて、袋の口を軽く開けたまま冷やして帰るほうが長くもつ。
氷や保冷剤に直接当てるのも避けたい。
あいだに新聞紙を一枚はさむだけで、当たりがずいぶんやわらぐ。
冷やし方そのものについてはクーラーボックスの詰め方の記事に書いた。
それでも砂が残っていたら、鍋に入れる前に一度ざるへ上げて、貝どうしをこすり合わせて洗う。
殻の外側についた砂を落としておくだけでも、口に入る量はずいぶん減る。