ママの着ている服に、わたしと同じ顔の子がいたの
ある日ママが着ていた服に、わたしそっくりの顔がついていたの。
においを嗅いでも、わたしのにおいはしなかったんだ。
ママの服に、知らないわんこがいたの
その日のママは、洗濯物をたたみながら、新しい服を広げていたの。
白い、やわらかそうな服。
その真ん中に、わんこの顔がひとつ、ついていた。
わたしは近づいて、そのわんこをじっと見た。
こっちを見ているのに、まばたきをしない。
しっぽも振らない。
なのに、なんだか見覚えのある顔だった。
白い、やわらかそうな服。
その真ん中に、わんこの顔がひとつ、ついていた。
わたしは近づいて、そのわんこをじっと見た。
こっちを見ているのに、まばたきをしない。
しっぽも振らない。
なのに、なんだか見覚えのある顔だった。
よく見たら、それはわたしだったの
耳のかたちが、わたしと同じだった。
鼻のよこの、毛の流れも同じ。
首のところの、ちょっと色の濃いところまで一緒だった。
つまり、あれはわたしだったの。
ふしぎなのは、ぜんぜんこわくなかったこと。
お風呂場の鏡にうつるわたしは、いまでもあまり好きじゃない。
あっちは動くから。
服のわたしは動かないから、いくらでも見ていられた。
鼻のよこの、毛の流れも同じ。
首のところの、ちょっと色の濃いところまで一緒だった。
つまり、あれはわたしだったの。
ふしぎなのは、ぜんぜんこわくなかったこと。
お風呂場の鏡にうつるわたしは、いまでもあまり好きじゃない。
あっちは動くから。
服のわたしは動かないから、いくらでも見ていられた。
においを嗅いでも、わたしのにおいはしなかったの
いちおう、鼻を近づけてたしかめてみたよ。
したのは、まだ新しい布のにおいと、洗剤のにおいだけ。
わたしのにおいは、これっぽっちもしなかった。
そこで、ようやく安心したの。
人間は目で見て決めるみたいだけど、わたしは鼻で決めるんだ。
見た目が同じでも、においが違えば別のもの。
だからあの子は、わたしの居場所を取りに来たわけじゃない。
したのは、まだ新しい布のにおいと、洗剤のにおいだけ。
わたしのにおいは、これっぽっちもしなかった。
そこで、ようやく安心したの。
人間は目で見て決めるみたいだけど、わたしは鼻で決めるんだ。
見た目が同じでも、においが違えば別のもの。
だからあの子は、わたしの居場所を取りに来たわけじゃない。
あの服の日は、写真をたくさん撮られるの
それからときどき、ママはあの服を着るようになった。
あれを着ている日は、なぜかカメラを構える回数が多い。
「並んで」と言われて、服のわたしのとなりに座らされる。
ちょっと恥ずかしいけど、悪い気はしないよ。
だってママは、わたしの顔を選んで、わざわざ服にしたんだから。
ほかのどのわんこでもなく、わたしを。
みんなのおうちにも、そういうものはある?
あれを着ている日は、なぜかカメラを構える回数が多い。
「並んで」と言われて、服のわたしのとなりに座らされる。
ちょっと恥ずかしいけど、悪い気はしないよ。
だってママは、わたしの顔を選んで、わざわざ服にしたんだから。
ほかのどのわんこでもなく、わたしを。
みんなのおうちにも、そういうものはある?