三十分の打ち合わせをやめて、五分の録画を送った。戻ってきたのは時間だけじゃなかった

予定表が埋まっている日ほど、何も進んでいない。
そのことに気づくまで、ずいぶんかかった。

先月、予定表を見返していて手が止まった。
一週間に打ち合わせが六件あって、そのうち四件は進捗の確認だった。
作るための時間より、作っていることを説明する時間のほうが長い週がある。

どれも三十分の枠だ。
けれど実際に取られているのは、三十分ではなかった。

打ち合わせは、三十分では終わっていない

手元で数えてみたことがある。
十時からの三十分に対して、九時半をすぎたあたりから僕は細かい作業を始めなくなっていた。
終わったあとも、頭が元の作業に戻るまで十五分ほどかかる。

実際に消えているのは一時間くらい。
それが週に四件あれば、四時間。
ほとんど一日ぶんだ。

時間の数え忘れについては前にも書いたけれど、あのときは作業のほうばかり数えていた。
打ち合わせも、同じように数え漏れていた。

困るのは合計の長さより、どこに入っているかのほうだと思う。
午前の真ん中に一件あるだけで、その日は細かい用事しか手をつけられなくなる。
まとまった時間は、細切れにすると戻ってこない。

画面を録って送る、に変えてみた

試しに、進捗確認の一件を録画に置き換えてみた。
いま動いている画面を実際に触りながら、五分ほど喋って録るだけ。
凝った編集はしない。言い間違えてもそのまま送る。

やってみて分かったのは、五分でだいたい足りるということだった。
打ち合わせの三十分のうち、本当に中身の話をしているのは五分か十分で、残りは前置きと世間話と、相手の反応を待っている時間だった。

録画だと前置きが要らない。
「先週お伝えした件ですが」を言わなくていい。
見る側には前回のぶんも残っているから、忘れていたら自分で遡れる。

返ってきたのは、自分の時間だけではなかった

意外だったのは、相手の反応のほうだ。

打ち合わせには、その場で答えを出さないといけない空気がある。
聞かれて、少し考えて、たぶん大丈夫です、と答えてしまう。
僕自身、聞かれる側になったときは何度もそうやってきた。

録画を送ると、相手は都合のいい時間に見て、考えてから返事を書いてくる。
そうしたら返事の中身が変わった。
「ここは社内で確認します」「この部分は前と話が違う気がします」と、その場では出てこなかった言葉が出るようになった。

会って話すほうが早い、と長いこと思っていた。
早いのは決めるところまでで、正しく決まるかどうかは別の話だった。

それでも、会って話す回は残している

全部を録画に置き換えたわけではない。
最初の顔合わせと、方向を決める打ち合わせは、いまも会って話している。
相手がどこで引っかかっているかは、顔と間を見ないと分からない。

分けている基準は単純で、伝えるだけか、決めるか。
伝えるだけなら録画で足りる。
決めるなら、その場にいたほうがいい。

気をつけているのは、録画を長くしないこと。
十分を超えると、相手は最後まで見てくれない。
長くなりそうな日は、それはもう伝えるだけの話ではなくなっている合図だと思って、打ち合わせに戻すことにしている。

予定表がすかすかになった週は、正直すこし落ち着かない。
働いていない気がしてくる。
それでも、手元のものが進んでいるのはそういう週のほうだった。

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