ブレーキを踏むたび、後ろで音がしていた。積む場所を決めたら静かになった

荷物を減らしても音は消えなかった。
変えたのは量ではなく、どこに置くかと、どう止めるかだった。

高速でブレーキを踏むと、後ろでガサッと音がする。
信号で止まるたびにも鳴る。
最初は荷物が多すぎるのだと思って減らしてみたけれど、音は小さくなっただけで消えなかった。

減らす方向をやめて、置く場所と止め方を決めたら静かになった。
ついでに、カーブでの落ち着きも変わった。
そのとき考えたことを整理しておく。

重いものは、下・前・真ん中

車は重いものを高いところに載せるほど、揺れが大きくなる。
同じ重さでも、床に置いたときと荷室の上のほうに積んだときでは、カーブでの振られ方がまるで違う。
ポータブル電源、水のタンク、クーラーボックス。
この三つはとにかく床に直接置く。

前後でいうと、後ろの端に重いものを集めない。
いちばん後ろに重量が寄ると、前が軽くなる方向に働く。
後席の足元あたりから荷室の手前側にかけて置くと落ち着く。

左右は真ん中に寄せる。
片側だけに重いものが並んでいると、その側だけ沈んで走りが偏る。
積んだあとに車の後ろから見て、明らかに片方が下がっていたら並べ替えたほうがいい。

軽くてかさばるものは、上へ逃がす

下を重いもので埋めると、当然ながら上が余る。
ここに寝袋、着替え、タープのような軽くてかさばるものを持っていく。

天井に張るネットが、この用途にはよく効いた。
床に積み上げるのをやめて上へ逃がすと、荷室の中を見渡せるようになるので、探す時間がそのまま減る。

気をつけたいのは、天井のネットに重いものを入れないこと。
急ブレーキで前に振られたとき、頭の高さから飛んでくることになる。
片手で持って軽いと感じるもの、が僕の目安になっている。
取り付けるときも、後ろを見たときにルームミラーの視界を塞がない高さに収める。

音が鳴るところは、擦れている

ここが本題で、音の正体はほとんどが隙間だった。
隙間があるものは必ず動く。
動いたところは擦れていて、擦れているところはいつか破れるか、削れる。

止め方は、重さで分けるとうまくいった。

重いものは、ベルトで床に留める。
荷締めのベルトを一本車に積んでおくと、電源やタンクのように動かれると困るものを、フックのある場所へきっちり引き寄せられる。
締めるときは、ものが変形するほど強く引かない。
手で押して動かなくなったところで止める。

軽いものは、ゴムのバンドで押さえる。
こちらは締めるというより、飛び上がらないよう蓋をする感覚に近い。
逆に、重いものをゴムだけで止めるのは避けたほうがいい。
伸びるということは、その伸びたぶんだけ加速して戻ってくるということだからだ。

積み終わったら、車の後ろを両手で持って軽く揺すってみる。
中で音がしたら、まだどこかが動いている。
この確認に三十秒かければ、走り出してからの二時間が静かになる。

後ろの視界と、飛んでくるもの

荷物の高さは、後席の背もたれより上に出さないようにしている。
背もたれより高く積むと、急ブレーキのときに前の席へ向かって飛ぶ経路ができてしまう。
ひとりで走っているときでも、後ろから何かが来る想像はしておいたほうがいい。

ルームミラーが荷物で埋まるのも避ける。
後ろが見えなくても走れてしまうぶん、慣れると気づかなくなるのが怖いところだ。
積んだあとに運転席に座って、一度ミラーを覗いてから出発する癖をつけた。

いちばん効いたのは、毎回同じ場所にすること

置き場所を決めてしまうと、探さなくなる。
探さなくなると荷物を掘り返さないので、崩れない。
崩れないから、帰りも同じ形で積める。

僕の場合は、床の右手前が電源、左手前が水、真ん中の奥がクーラーボックス、天井が寝袋と着替え、と決めている。
決めた当初は窮屈に感じたけれど、二回目からは何も考えずに積めるようになった。
出発前の三十分が返ってきたのは、箱を減らしたときと同じくらい大きかった。

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音がしなくなった車で走ると、それだけで疲れ方が違う。
後ろで何か鳴るたび、気づかないうちに気にしていたのだと思う。
荷物を減らす前に、まず置く場所を決めてみるのをおすすめしたい。

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