言葉で説明するのをやめて、画面を撮って見せた。AIとの往復が五回から一回になった

スマホで見たときだけ表示が崩れる、というのを言葉で伝えようとして何度も往復していた。
画面をそのまま撮って渡したら、一回で終わった。

先週、記事の中の表がスマホでだけ横にはみ出していることに気づいた。

パソコンで見るぶんにはきれいに収まっている。
スマホで開いたときだけ、右側が画面の外へ逃げて、指で押すと本文ごと横に動く。
よくある崩れ方だと思う。

それをAIに相談したのだが、うまく伝わらなかった。
「スマホで表が右にはみ出す」と書いて、返ってきた案を試して、直らない。
違う、そこじゃない、と書いてまた返す。
気がつくと五往復していた。

途中でようやく思いついて、画面をそのまま撮って渡した。
一回で終わった。

いちばん時間がかかっていたのは、言葉にするところだった

あとから振り返ると、詰まっていたのは相手ではなく僕のほうだった。

「右にはみ出す」という一言に、実際はいくつもの情報が入っている。
画面の幅がどのくらいなのか。
はみ出しているのは表だけなのか、それとも本文まで一緒に動いているのか。
表の中の文字は折り返しているのか、一行のまま伸びているのか。
上下にある要素はちゃんと収まっているのか。

僕は自分の目でそれを全部見ている。
相手は一文字も見ていない。
その差を言葉だけで埋めようとしていたわけで、いちばん難しい仕事を自分で引き受けていたことになる。

しかも僕の説明は、無意識に「原因はここだろう」という思い込みで削られている。
関係ないと自分が判断した部分は、そもそも書いていない。
今回はまさにそこが原因だった。

撮って渡すと、省いた部分まで一緒に届く

画像を渡すというのは、要するに「僕が省いたところも全部渡す」ということだ。

返ってきたのは、僕が一度も書かなかった話だった。
はみ出しているのは表そのものではなく、表の中の長い一行だという指摘で、
表を横スクロールする箱に入れるのが早い、という直し方まで一緒に来た。

あとから確かめたら、そのとおりだった。
五往復ぶんの説明より、一枚の画像のほうが多くを伝えていた。

ちなみに、画像の大きさを書き忘れて表示がずれる話は前に別の回で書いた
あのときも、原因は自分が「そこは関係ない」と思って見ていなかった場所にあった。

撮って見せて、うまくいったもの・いかなかったもの

それから何でも撮って渡すようになって、向き不向きがだんだん分かってきた。

いちばん助かったのはエラー画面だ。
英語の長い文字列を打ち直さなくていいし、打ち間違いも起きない。
エラーは前後に出ている行にも手がかりがあるので、まるごと写っているほうが早い。

次に効いたのが、今回のような表示の崩れ。
言葉にしにくいものほど、画像の得意分野だと思う。

紙の資料や手書きのメモも渡せる。
撮って「これを表の形に起こして」と頼むと、打ち直す手間が消える。

逆に、数字がびっしり並んだ表を撮って渡すのは、あまりうまくいかなかった。
読み違いが混ざることがあるので、金額や件数のように間違えたら困る数字は、面倒でも文字で書き直して渡している。

写真の中に小さく写り込んだ文字も駄目だった。
拡大しても潰れていて、僕が読めないものは向こうも読めない。
当たり前の話だが、期待しすぎて何度か無駄にした。

いちばん気をつけているのは、写り込みのほう

便利さより先に覚えておきたいのがこれだと思う。

画面には、自分が意識していないものがかなり写る。
ブラウザのタブに並んだページの名前。
右下に出た通知。
裏で開きっぱなしのメール。
管理画面なら、関係のない人の名前や連絡先まで一緒に入っている。

渡した画像は、こちらの手を離れたあとも相手の側に残る前提で考えたほうがいい。
消したつもりでも、やりとりの履歴には残っている。

それで、画面ぜんぶを撮る癖をやめた。
いま困っている場所だけを範囲で囲んで撮る。
どうしても広く撮る必要があるときは、渡す前に自分で一度見る。
急いでいるときほど飛ばしたくなる手順なので、ここは意識して残している。

それでも、一行だけ言葉が要る

画像を渡すようになって分かったのは、画像だけでは足りないということでもあった。

写っているのは「いまどうなっているか」だけだ。
「どうしたいのか」は、どこにも写らない。
崩れているのを直したいのか、そのままでいいから理由が知りたいのか、写真からは分からない。

だから短くていいので、一行だけ添えるようにしている。
「この表を、横スクロールにしたい」
それだけで十分だった。

画像と一行。
いまのところ、これがいちばん早い。

説明がうまくなる前に、説明しなくていい方法があった

この件でいちばん気に入っているのは、自分の説明力を鍛えなくても解決したところだ。

伝わらないとき、僕はいつも「もっとうまく書かなければ」と思ってしまう。
書き直して、順番を入れ替えて、それでも伝わらなくて疲れる。
今回はその手前に、そもそも言葉にしなくていい道があった。

見えているものは、見せる。
それだけのことに五往復かけたのが、いちばんの学びだったと思う。

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